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使徒の働き17:5 ~ 10

5 ところが、ねたみにかられたユダヤ人は、町のならず者をかり集め、暴動を起こして町を騒がせ、またヤソンの家を襲い、ふたりを人々の前に引き出そうとして捜した。

6 しかし、見つからないので、ヤソンと兄弟たちの幾人かを、町の役人たちのところへひっぱって行き、大声でこう言った。「世界中を騒がせて来た者たちが、ここにも入り込んでいます。

7 それをヤソンが家に迎え入れたのです。彼らはみな、イエスという別の王がいると言って、カイザルの詔勅しょうちょくにそむく行いをしているのです。」

8 こうして、それを聞いた群衆と町の役人たちとを不安に陥れた。

9 彼らは、ヤソンとそのほかの者たちから保証金を取ったうえで釈放した。

10 兄弟たちは、すぐさま、夜のうちにパウロとシラスをベレヤへ送り出した。ふたりはそこに着くと、ユダヤ人の会堂に入って行った。

テサロニケ伝道(3)

ユダヤ人たちの反発

「ところが、ねたみにかられたユダヤ人は、町のならず者をかり集め、暴動を起こして町を騒がせ、またヤソンの家を襲い、ふたりを人々の前に引き出そうとして捜した」。(1)神を恐れる異邦人が救われ始めると、ユダヤ人からの迫害が起こる。同じことが、第一次伝道旅行でも起こった(ピシデヤのアンテオケ、イコニオム、ルステラ)。(2)煽動せんどうするのはユダヤ人だが、実行するのは「広場にたむろしているならず者」(新共同訳)である。(3)暴徒たちは、ヤソンの家を襲った。ヤソンは、新しく信者になったユダヤ人である。ヤソンは、パウロとシラスを家に迎え、伝道の拠点を提供していた。暴徒たちは、家の扉を破り、中に入ってパウロとシラスを捕らえようとした。町の法廷に引きずり出すためである。しかし、パウロとシラスを見つけることはできなかった。そこで、ヤソンと信者数名を、町の役人たちのところへ引っ張って行った(法廷に引き出した)。(4)ピリピでは、長官(ストラテイゴス)が登場したが、テサロニケでは、役人(ポリターケイス)が登場している。「ポリターケイス」とは、自由都市の役人のタイトルである。
「世界中を騒がせて来た者たちが、ここにも入り込んでいます」。(1)これは、反逆罪の訴えである。「彼らはみな、イエスという別の王がいると言って、カイザルの詔勅にそむく行いをしているのです」。この言葉から、暴動の背後にユダヤ人がいるのが分かる。確かにパウロは、メシアが王として再臨されるというメッセージをしていた。(2)群衆も役人たちも不安を覚えたが、役人たちは冷静に対応した。ピリピの長官たちとは異なる。彼らは、ヤソンとその他の者たちから保証金を取ったうえで釈放した。パウロとシラスがすぐにテサロニケを去り、二度と戻らないことを約束させた。騒ぎがこのまま収まれば保証金は返還される。
「兄弟たちは、すぐさま、夜のうちにパウロとシラスをベレヤへ送り出した」。(1)パウロとシラスは、どこかにかくまわれていたのであろう。その夜、二人は町を出て、ベレアに向かった。(2)教会に対する迫害はますます強くなったが、テサロニケのクリスチャンたちの信仰は成長した。(3)パウロは短期間の内にテサロニケを去らなければならなくなった。これが原因で後にパウロは、テサロニケの教会に宛てて2 通の手紙を書くことになる。結局は、主の御心がなったのである。

きょうの祈り

天の父なる神さま。あなたは、すべてのことを働かせて益としてくださるお方です。あなたを信頼します。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

創世記 3~4、マルコの福音書 2

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