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使徒の働き1:1 ~ 2

1 テオピロよ。私は前の書で、イエスが行い始め、教え始められたすべてのことについて書き、

2 お選びになった使徒たちに聖霊によって命じてから、天に上げられた日のことにまで及びました。

はじめに(3)

弁証論的目的

(1)ルカはこの書を通して、キリスト教がローマ帝国にとって危険な宗教ではないことを証明しようとした。イエス・キリストを信じる信仰は、ユダヤ人の指導者たちからの迫害にった。ユダヤ人の指導者たちは、キリスト教を不吉で危険な宗教と断じたのである。この状況は、今も変わっていない。しかし、ローマの官憲かんけんはそうではなかった。ローマの裁判によって、キリスト教にはユダヤ教と同じ特権(公認宗教)が与えられた。実際のところ、ローマはこの新しい宗教(キリスト教)に対しては、ほとんど無関心であった。(2)ルカは、キリスト教は政治運動ではなく、宗教運動であることを示そうとした。キリスト教のルーツはユダヤ教である。それゆえ、キリスト教にユダヤ教と同じ特権(公認宗教)を与えるべきである。これがルカの意図である。(3)ルカは、使徒パウロが政治的に無害であることを示そうとした。パウロは、ローマの市民であり、謀反むほん煽動せんどうする者ではない。

この書の今日的意義

(1)この書を通して、エルサレムで誕生した教会を取り巻く最初の30 年間の状況を知ることが出来る。そこで学んだことを今の時代に適用するのは、私たちの役割である。(2)初期の信仰者たちの信仰と活動から、励ましを得ることが出来る。今、私たちを導いてくれた信仰の先輩たちへの感謝を覚えようようではないか。その感謝は、初期の信仰者たちにまで至るはずである。(3)使徒の働きは、普通の人たちの物語である。そして、使徒の働きは、未完の書である。私たちは、今その書を書きいでいる。(4)主役は、復活のイエスである。復活のイエスは、聖霊によって、私たちを通して働きを継続しておられる。そのイエスは、やがて地上に戻って来られる。
私たちは、地上における復活のイエスの証人である。それゆえ、復活のイエスの働きでないものは、排除すべきである。もしそれが復活のイエスの働きであるなら、そこに関わる人たちは、すべて神の国拡大のための同労者である。「天の父よ、私たちをキリストの証人として用いてください。アーメン」

きょうの祈り

天の父なる神さま。信仰の先輩たちの導きを感謝します。私をキリストの証人として用いてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

列王記第二7~8、使徒の働き25