1 テオピロよ。私は前の書で、イエスが行い始め、教え始められたすべてのことについて書き、
2 お選びになった使徒たちに聖霊によって命じてから、天に上げられた日のことにまで及びました。
「テオピロよ。私は前の書で、イエスが行い始め、教え始められたすべてのことについて書き、」。(1)ルカの福音書と使徒の働きは、ともにテオピロに献呈した形になっている。①ルカの福音書では、「尊敬するテオピロ殿」となっている。「尊敬する(クラティストス)」は、ローマ高官のタイトルである。使徒23:26、24:2、26:25 では「閣下」と訳されている。②テオピロには、「神を愛する人」と「神に愛されている人」の両方の意味がある。③このような書き出しは、紀元1 世紀のローマ世界では一般的なものであった。ユダヤ人の歴史家ヨセフスもまた同じような書き方をしている。④テオピロは、ルカの執筆活動を支援するパトロンであった可能性が高い(ローマ人クリスチャンであったと思われる)。(2)1 ~ 2 節は、ルカの福音書の要約である。「前の書」というのはルカの福音書のことである。この福音書の目的は、イエスの生涯の出来事を時間順に並べて紹介することであった(ルカ以外の3 つの福音書は、時間の順にはこだわっていない)。ルカの福音書は、イエスの行いと教えの最初から始まり、昇天で終わった。(3)「イエスが行い始め、教え始められた」とある。「始めた」という言葉が2 度出て来る。イエスの働きは2 千年前に終わったのではなく、今も続いている。復活のイエスは、聖霊によって、地上の教会を通して、今も働いておられる。
「お選びになった使徒たちに聖霊によって命じてから、天に上げられた日のことにまで及びました」。(1)使徒の働きの中の主役は、3 者である。①復活し、昇天したイエス、②イエスの命令を実行する使徒たち、③イエスと使徒たちを結びつける聖霊。(2)使徒たちは、イエスが「十字架の死とそれに続く復活」の計画について何度話しても、それが理解出来なかった。霊の目を開き、聖書を理解させるのは、聖霊の働きである。彼らは、復活の主イエスから息を吹きかけられ、「聖霊を受けなさい」(ヨハ20:22)とのことばを受けた。その時彼らは、旧約聖書的な意味で聖霊を受けた。これは、内住の聖霊ではなく、神のことばを理解させるための聖霊の力である。(3)ルカの福音書は、イエスの昇天の記事で終わっていた(ルカ24:50 ~ 53)。
弟子たちを変えた力は、主イエスが復活したという確信である。主イエスは今も生きていて、私たちを通して御業を行っておられる。主イエスとともに歩む人生は、幸いである。
きょうの祈り
イエス・キリストの父なる神さま。主イエスは、聖霊によって、私たちを通して今も御業を行なっておられます。使徒たちの信仰にならい、確信をもって歩めるように導いてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
年間聖書通読
列王記第二9~10、使徒の働き26
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