1 テオピロよ。私は前の書で、イエスが行い始め、教え始められたすべてのことについて書き、
2 お選びになった使徒たちに聖霊によって命じてから、天に上げられた日のことにまで及びました。
(1)使徒の働きは、ルカの福音書の続編である。前者はイエスの地上におけるミニストリー(働き)の記録であり、後者は天に昇られた復活のイエスのミニストリーの記録である。復活のイエスは、使徒たちを通し、また教会を通して御業を継続される。そして、聖霊が使徒たちと教会を導かれる。(2)そう考えると、「使徒の働き」や「使徒行伝」は、正確なタイトルではない。「復活のイエスの働き」の方が、内容を言い当てている。(3)ルカは、30 年間の教会の歴史を、地理的拡大に沿って記録している。①エルサレムでの伝道(1:1 ~ 8:4)。②ユダヤとサマリヤでの伝道(8:5 ~ 12:25)。③地の果てへの伝道(13:1 ~ 28:31)。(4)またルカは、30 年間の教会の歴史を、前半(15 年)と後半(15 年)に分けている。①前半は、ペテロが中心である(1:1 ~ 12:25)。②後半は、パウロが中心である(13:1 ~ 28:31)。ペテロとパウロは相似形で描かれているが、これは、パウロの使徒職の弁証になっている。(5)使徒の働きは、福音書、書簡、黙示録を有機的につなげる連結器の役割を果たしている。
(1)ルカは、キリスト教は旧約聖書から派生した正当な信仰であることを証明しようとした。神がイスラエルの民に約束されたことと、教会が受け取ったことの間には、継続性がある。(2)教会時代になっても、神がイスラエルの民に約束されていることが破棄された訳ではない。今はイスラエルの民は神に敵対する者となっているが、やがて彼らは救われる。(3)注意点は、使徒の働きは歴史的記録なので、そこから普遍的適用を導き出してはならないということである。ペンテコステの体験、サウロのダマスコ途上の体験、使徒たちの裁定、奇跡、裁きなどがそれである。普遍的適用を想定した唯一の神学的テーマは、「異邦人の救いの条件」である。これは、異邦人が救われるためには、ユダヤ教に改宗する必要があるのかどうかというテーマである。
私たちは、使徒の働きを通して、初代教会を取り巻く最初の30 年間の状況(歴史的、社会的、文化的、政治的、宗教的状況)を知ることが出来る。また、エルサレムで誕生した教会がどのようにして今日にまで至ったのかを学ぶことが出来る。使徒の働きを通して学んだことを今の時代に適用するのは、私たちの役割である。
きょうの祈り
父なる神よ、日々の生活に御言葉を適用し、聖霊の導きに従うことができますよう私を助けてください。あなたの恵みと愛に感謝します。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
年間聖書通読
列王記第二5~6、使徒の働き24
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