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サムエル記第一11:12~15

12 そのとき、民はサムエルに言った。「サウルがわれわれを治めるのか、などと言ったのはだれでしたか。その者たちを引き渡してください。彼らを殺します。」

13 しかしサウルは言った。「きょうは人を殺してはならない。きょう、【主】がイスラエルを救ってくださったのだから。」

14 それからサムエルは民に言った。「さあ、われわれはギルガルへ行って、そこで王権を創設する宣言をしよう。」

15 民はみなギルガルへ行き、ギルガルで、【主】の前に、サウルを王とした。彼らはそこで【主】の前に和解のいけにえをささげ、サウルとイスラエルのすべての者が、そこで大いに喜んだ。

サウルの王権の更新

サウルの寛大さ

人の上に立つ指導者には、知恵と寛大さとが要求されます。きょうの箇所で、サウルは指導者として立派に振る舞っていますので、それを見てみましょう。
(1)戦いに勝った民は、その勢いで、先にサウルの即位に賛同しなかった者たちを死刑にしようと提案します。これは、1027にあった内容のことで、そこには、「しかし、よこしまな者たちは、『この者がどうしてわれわれを救えよう』と言って軽蔑し、彼に贈り物を持って来なかった。しかしサウルは黙っていた」とありました。(2)しかしサウルは神に栄光を帰し、彼らの提案を退けました。これは、神の知恵による寛大な処置でした。悔い改めた敵対者たちを殺害するよりは、自分の味方につけたほうがどれほどよいか知れません。復讐はなんの益ももたらしません。

王権の更新

サウルはすでにミツパで王としての認定を受けていました(1024参照)。そしてきょうの箇所では、ギルガルでサウルの王権の更新が行なわれています。(1)ギルガルは、かつて約束の地に入ったイスラエルの民が、割礼の儀式を再開した記念の地です。(2)民は主の前に和解のいけにえを捧げ、「契約の食事」を食して、サウルが王になったことを喜びました。
この日の喜びは、サウルの懸命な決断によってもたらされたものでした。彼は生来の短気な性格を静め、寛容な心を示すことができました。また彼は、今回の勝利を自分の手柄にしないで、「主がイスラエルを救ってくださった」と語り、主に栄光を帰しています。サウルの王としての歩みは、最初は非常に良かったのです。しかし、最初の思いを忘れるところから、問題が広がり始めます。あなたは、いつも初心を思い出して歩んでいますか。神は、「初めの愛に帰れ」と叫んではおられませんか。

きょうの祈り

天の父よ。聖書の中では、晩年になって失敗する人が多く現われています。どうか私に寛容な心と、謙遜な心を与え、常に主イエスとともに歩むことを得させてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

申命記3~4、マタイの福音書19