これまでの文脈の確認

出エジプト記では、幕屋建設に関して同じような記述が繰り返されているが、そこには重要な意味がある。（1）先ず、山の上で【主】がモーセに語られた幕屋建設に関する命令が、詳細に記録されている。（2）その直後に、金の子牛事件が起こった。悔い改めた民に、モーセは初めて幕屋建設に関する命令を伝えた。読者にとっては、この命令を読むのは2 度目だが、民にとっては初めて聞かされる命令である。（3）実際に幕屋とその備品を作る過程が記録されている。（4）完成品が、モーセによって点検される。神がイスラエルの民に幕屋の建設を命じたのは、彼らが【主】を礼拝する民となるためである。幕屋は、神がお命じになる方法と形で作らなければならない。神の礼拝は、人間が自分勝手な方法でするものではなく、神が命じる方法ですべきものである。

仕事の完成

幕屋とその備品は、すべて【主】がモーセに指示した通りに作られた。イスラエルの民は、それらの備品をモーセのもとに持って来た。モーセは、それらのものが【主】の命令通りに作られているかどうかを点検した。山の上で【主】から直接指示を受けたのはモーセだけなので、彼には点検する責任があった。モーセは、2 つのことをした。（1）彼は、仕事が【主】の命令通りに行われているかどうかを点検し、確認した。（2）結果に満足した彼は、その仕事を忠実に完成させた民を祝福した。一度は金の子牛を造り、それを礼拝した民が、ここではモーセから祝福を受けている。42 節のことばは、教訓に満ちている。「イスラエル人は、すべて、主がモーセに命じられたとおりに、そのすべての奉仕を行った」。モーセにとってこれは、感動の瞬間であった。民が祝福を受けた理由は、モーセから聞いた【主】の命令に忠実に従ったからである。
主イエスの教えに耳を傾けよう。「あなたがたが、わたしの名によって何かをわたしに求めるなら、わたしはそれをしましょう。もしあなたがたがわたしを愛するなら、あなたがたはわたしの戒いましめを守るはずです」（ヨハ14：14 〜15）。イエスを愛するとは、その戒めを守ることである。イエスへの愛をどのように表現すべきか、黙想してみよう。