制作者の任命

幕屋制作の責任者として、ベツァルエルが任命された。（1）彼は、ユダ族のフルの孫である。フルは、アマレクとの戦いにおいて、両側からモーセの手を支えた2 人の内の1 人である。「しかし、モーセの手が重くなった。彼らは石を取り、それをモーセの足もとに置いたので、モーセはその上に腰掛けた。アロンとフルは、ひとりはこちら側、ひとりはあちら側から、モーセの手をささえた。それで彼の手は日が沈むまで、しっかりそのままであった」（出17：12）とある。フルの孫のベツァルエルが任命されたということは、彼の家系では信仰の継承がうまく為されていたということである。（2）神はベツァルエルを、知恵と英知と知識の霊で満たした。霊で満たすとは、聖霊の支配下に置くことである。彼は、聖霊の導きに従うことによって、英知と知恵を得た。

神の主権

（1）もう1 人の人物はオホリアブである。彼は、ベツァルエルの補助者となった。（2）オホリアブの出身部族は、最小部族のダン部族である。最大のユダ部族からベツァルエルが召され、最小のダン部族からオホリアブが召された。神は12 部族すべてを用いようとしておられることがよく分かる。（3）さらに、心に知恵のある多くの工人たちが招集された。彼らは、総指揮者であるベツァルエルとその補助者であるオホリアブの指示に基づいて労働する人たちである。
幕屋建設のための資材を捧げよという命令は、すべての人に与えられたものであったが、幕屋制作に従事する人々の任命は、神の主権によって行われた。神がなさることに対して、私たちは妬ねたましく思う必要はない。この原則は、恵みの時代（教会時代）にも当てはまる。エペソ4：7 〜13 にはこうある。「 しかし、私たちはひとりひとり、キリストの賜物の量りに従って恵みを与えられました。 ･･･こうして、キリストご自身が、ある人を使徒、ある人を預言者、ある人を伝道者、ある人を牧師また教師として、お立てになったのです。 それは、聖徒たちを整えて奉仕の働きをさせ、キリストのからだを建て上げるためであり、 ついに、私たちがみな、信仰の一致と神の御子に関する知識の一致とに達し、完全におとなになって、キリストの満ち満ちた身たけにまで達するためです」（新改訳2017）。他の兄弟姉妹たちの賜物を妬んだり、うらやましがったりしてはならない。互いの賜物を認め合い、神にお仕えしよう。すべての賜物は、キリストのからだを建て上げるために用いられるものである。