感動した者

幕屋の建設が始まっている。モーセは民に、【主】への奉納物を持って来るように命じた。それは、幕屋を建設するための材料となる。
「イスラエル人の全会衆は、モーセの前から立ち去った。感動した者と、心から進んでする者とはみな、会見の天幕の仕事のため、また、そのすべての作業のため、また、聖なる装束のために、【主】への奉納物を持って来た」。（1）民はつぶやいたりせずに、すぐに行動に移した。「感動した者と、心から進んでする者」が行動を起こしたのである。（2）ここには、聖霊による感動がある。それは、金の子牛事件の罪が赦された感動でもある。さらに、【主】の臨在が再び宿ることになる（幕屋の中に）という恵みに対する感動でもある。
ここで、詩篇110：3 を見てみよう。この詩篇は「メシア的詩篇」であり、神の国が世界中に広がる喜びを歌ったものである。「あなたの民は、あなたの戦いの日に、聖なる飾り物を着けて、夜明け前から喜んで仕える。あなたの若者は、あなたにとっては、朝露のようだ」。イスラエルの民が【主】の臨在を喜んだように、私たちも、インマヌエルなる神を大いに喜ぼう。

労働の提供

「また、心に知恵のある女もみな、自分の手で紡ぎ、その紡いだ青色、紫色、緋色の撚り糸、それに亜麻布を持って来た」。（1）彼女たちは、原料を提供したのでも完成品を作ったのでもなく、糸を紡ぐという労働を提供した。これは、中間的作業である。これらの糸がなければ、ベツァルエルは幕を作れなかった。（2）一見重要でない作業に見えるが、幕の強度と外観の美しさは、糸の紡ぎにかかっている。彼女たちは、捧げる物がなかったので、自らの労働を捧げたのである。
「イスラエル人は、男も女もみな、【主】がモーセを通して、こうせよと命じられたすべての仕事のために、心から進んでささげたのであって、彼らはそれを進んでささげるささげ物として【主】に持って来た」。【主】への奉納物から教訓を学ぼう。（1）金の子牛を作るためにアロンが指定したのは、金だけであった。つまり、金を持っていない人たちはそれには参加できなかった。（2）幕屋建設のためには、15 種類のものが必要とされた。これは、誰もが参加できる命令である。事実、民はあり余るほど捧げた。神の事業は、全員参加を要求する。
神の教会もまた、信者全員の参加によって建て上げられる。教会の頭はキリストであり、信徒一人ひとりはその体の器官である。そのことを覚え、喜んで仕える者とさせていただこう。