警告（13 〜21 節）

第七の災いは、雹ひょうの害である。（1）各セットの中の最初の2 つは、災いの前に警告が与えられる。ここでもそのようになっている。（2）各セットの中の1番目は、モーセが朝、パロの前に立ち警告を発する。ヘブル人の神、【主】はパロにこう言われる。「わたしの民を行かせ、彼らをわたしに仕えさせよ」。（3）災いの目的は、エジプト人に【主】がどのようなお方であるかを教えるためである。（4）災いの内容は、明日の今ごろ雹が降るということであった。これは極めて激しい雹で、エジプト建国の日以来なかったことである。つまり、人類の歴史上なかったということである。（5）モーセはパロにこう警告する。「それゆえ、今すぐ使いをやり、あなたの家畜、あなたが持っている野にあるすべてのものを避難させよ。･･･」。（6）エジプト人の中にも、教訓を学ぶ人とそうでない人がいた。前者は、しもべたちと家畜を家に避難させた。後者は、しもべたちや家畜をそのまま野に残した。後者は、「【主】のことばを心に留めなかった者」である。

実行（22 〜26 節）

（1）動作の主体について言えば、最後のセットは、3 つともモーセの手が動いて災いが起こる。モーセが杖を天に向けて差し伸ばすと、【主】が警告されたとおりになった。（2）建国以来エジプトに降ったことのないような激しい雹が降った。雹は、エジプトでは年に3 日ほど降るが、雷が伴うことは皆無かいむである。さらに、火が伴うのは、超自然現象である。（3）被害の対象は、野にいた人、野にいた獣、野の草、野の木にまで及んだ。被害はエジプト全土に広がったが、ゴシェンは守られた。（4）第七の災いによって裁かれた偶像は、4 つある。① Shu【シュー】（太陽神ラの息子。天空の神）。エジプト人が天空の神シューの名を呼んでも、この神は雹の害を止めることができなかった。② Nut【ヌト】（天空の女神）。天空の女神ヌトも、天空が荒れるのを止めることができなかった。③ Seth【セト】（農業神）。雹の害で、エジプトの農業は壊滅かいめつ状態になったが、セトはそれを止めることができなかった。④ Isis【イッシス】（農業の女神）。農業の女神イッシスも、雹の害からエジプトの農業を守ることができなかった。
プライドは、合理的な思考を停止させる。また偶像礼拝は、真の神への恐れを停止させる。「【主】を恐れることは知識の初めである。愚おろか者は知恵と訓戒くんかいをさげすむ」（箴1：7）。私たちも、【主】を恐れることを学ぼう。