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出エジプト記9:8 〜 12

8 【主】はモーセとアロンに仰せられた。「あなたがたは、かまどのすすを両手いっぱいに取れ。モーセはパロの前で、それを天に向けてまき散らせ。

9 それがエジプト全土にわたって、細かいほこりとなると、エジプト全土の人と獣につき、うみの出る腫物となる。」

10 それで彼らはかまどのすすを取ってパロの前に立ち、モーセはそれを天に向けてまき散らした。すると、それは人と獣につき、うみの出る腫物となった。

11 呪法師たちは、腫物のためにモーセの前に立つことができなかった。腫物が呪法師たちとすべてのエジプト人にできたからである。

12 しかし、【主】はパロの心をかたくなにされ、彼はふたりの言うことを聞き入れなかった。【主】がモーセに言われたとおりである。

第六の災い

実行(8 〜10 節)

第六の災いの記述量は少ない。第三の災いと同じように、神学的意味がさほどないからだと思われる。各セットの中の3 番目には、警告は出て来ない。モーセがパロの前に立つことなしに、直接災いが下る。
(1)動作の主体は、神の手である。8 節には、「【主】はモーセとアロンに仰せられた。『あなたがたは、かまどのすすを両手いっぱいに取れ。モーセはパロの前で、それを天に向けてまき散らせ。それがエジプト全土にわたって、細かいほこりとなると、エジプト全土の人と獣につき、うみの出る腫物となる』」とある。モーセとアロンが「すす」を天に向けてまき散らしているが、それを用いて腫物の災いをもたらしたのは【主】である。(2)その「すす」は、エジプト全土の人と獣に付き、うみの出る腫物となった。しかし、ゴシェンの地に住む人と家畜は守られた。(3)第六の災いによって裁かれた偶像は3 つある。 Sekhmet【セクメット】(雌獅子めじしの頭を持った、戦いと破壊の女神。疫病を支配する)。Serapis【セラピス】(癒しの神)。 Imhotep【イムホテプ】(薬の神。実在の人物の神格化)。エジプト人たちは、これらを癒しの神と信じていたが、この偶像の神々は、エジプト人をうみの出る腫物から守ることができなかった。

結果(11 〜12 節)

(1)エジプトの呪法師たちは、腫物のためにモーセの前に立つことができなかった。(2)第五と第六の災いは、自然に消滅したものと思われる(パロは、モーセに対してりなしの祈りを要請していない)。(3)この時も、パロの心は頑なになった。それは彼自身の責任だが、背後には【主】の御手の働きもあった。いつまでも頑なでいると、【主】の恵みは取り去られてしまう。(4)ここでの「かまど」は、レンガを焼くかまど(キブシャン)である。これは、イスラエル人の苦難の象徴でもある。「すす」は、そのかまどから取られたものである。エジプト人たちは、イスラエル人を迫害したために、【主】からの罰を受けている。しかも、苦難の象徴である「かまどのすす」によって苦しめられている。イスラエルを祝福する者は祝福を受け、呪う者は呪われる(創12:3)。イスラエルを呪う者には、同じ種類の呪いが返って来る。
神は、全人類を救うための方法として、イスラエルを選ばれた。イスラエルを祝福する者となるために、ヘブル的に聖書を読むことを心がけよう。神は大いなるお方であり、その計画は完全である。

きょうの祈り

アブラハム、イサク、ヤコブの神よ。あなたの偉大さのゆえに、御名をたたえます。どうか私を、みことばの真理をより深く理解する者と変えてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

民数記25~26、マタイの福音書13