25 ラケルがヨセフを産んで後、ヤコブはラバンに言った。「私を去らせ、私の故郷の地へ帰らせてください。
26 私の妻たちや子どもたちを私に与えて行かせてください。私は彼らのためにあなたに仕えてきたのです。あなたに仕えた私の働きはよくご存じです。」
27 ラバンは彼に言った。「もしあなたが私の願いをかなえてくれるのなら……。私はあなたのおかげで、【主】が私を祝福してくださったことを、まじないで知っている。」
28 さらに言った。「あなたの望む報酬を申し出てくれ。私はそれを払おう。」
29 ヤコブは彼に言った。「私がどのようにあなたに仕え、また私がどのようにあなたの家畜を飼ったかは、あなたがよくご存じです。
30 私が来る前には、わずかだったのが、ふえて多くなりました。それは、私の行く先で【主】があなたを祝福されたからです。いったい、いつになったら私も自分自身の家を持つことができましょう。」
すでに見たように、パダン・アラムで寄留生活を送るヤコブに、11 人の息子が生まれた。ヤコブの心には、次第に望郷の思いが満ちてきた。そこで彼は、カナンの地への帰還をラバンに申し出る。
(1)ヤコブは、ラバンの2 人の娘(レアとラケル)の花嫁料のために、14 年間も働いた。ラバンはヤコブを騙したが、ヤコブがラバンを騙すことはなかった。(2)ヤコブの所有財産は、2 人の妻、2 人の女奴隷、11 人の息子だけであった。ここに至ってヤコブは、大家族の将来が心配になってきた。そこで彼は、カナンの地への帰還を考えた。「私の故郷の地」とは、カナンの地である。(3)ラバンは、ヤコブの働きぶりをよく知っていた。ヤコブはラバンに、「私の妻たちや子どもたちを私に与えて行かせてください。私は彼らのためにあなたに仕えてきたのです。あなたに仕えた私の働きはよくご存じです」と言った。
それを聞いて、ラバンは逆の提案をした。「もし、お前さえ良ければ、もっといてほしいのだが。実は占いで、わたしはお前のお陰で、主から祝福をいただいていることが分かったのだ」(新共同訳)。(1)占いは「ナホッシュ(ニハシュティ)」で、蛇は「ナハッシュ」である。「占い」という言葉は、「蛇」と同じ語幹を持つ。ラバンは、オカルト的占いをしていた偶像礼拝者である。(2)ラバンは、ヤコブの神である【主】(ヤハウェ)が、彼に祝福を与えていてくれることを知った。「お前のお陰で」とは、ヤコブとの関係のゆえに、という意味である。ラバンは、この14 年間、アブラハム契約の祝福の側面を体験したのである。「あなたを祝福する者をわたしは祝福し、あなたをのろう者をわたしはのろう」(創12:3)。(3)ラバンは、【主】から得ていた祝福を失いたくなかったので、ヤコブを引き留めるために、報酬の支払いを提案する。(4)ヤコブはラバンに対して、自分が忠実に働いた結果、ラバンの家畜が爆発的に増加したことを告げ、家族のために経済的安定を求めた。(5)それを聞いて、ラバンは単刀直入に、報酬はどれくらい欲しいかと問うた。ヤコブがどう答えたかは、次回学ぶことにする。
アブラハム契約の条項が生きていることに注目しよう。今も、創世記12:3 の原則は生きている。「あなた(アブラハムとその子孫イスラエル)を祝福する者をわたしは祝福し、あなたをのろう者をわたしはのろう」という約束を、自らの生活に適用しようではないか。
きょうの祈り
イエス・キリストの父なる神さま。アブラハム契約が今も有効であることを教えてくださり、感謝します。イスラエルの祝福を祈ります。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
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ヨシュア記21~22、ルカの福音書8
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