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使徒の働き13:16 ~ 22

16 そこでパウロが立ち上がり、手を振りながら言った。「イスラエルの人たち、ならびに神を恐れかしこむ方々。よく聞いてください。

17 この民イスラエルの神は、私たちの父祖たちを選び、民がエジプトの地に滞在していた間にこれを強大にし、御腕みうでを高く上げて、彼らをその地から導き出してくださいました。

18 そして約四十年間、荒野で彼らを耐え忍ばれました。

19 それからカナンの地で、七つの民を滅ぼし、その地を相続財産として分配されました。これが、約四百五十年間のことです。

20 その後、預言者サムエルの時代までは、さばき人たちをお遣わしになりました。

21 それから彼らが王をほしがったので、神はベニヤミン族の人、キスの子サウロを四十年間お与えになりました。

22 それから、彼を退けて、ダビデを立てて王とされましたが、このダビデについてあかしして、こう言われました。『わたしはエッサイの子ダビデを見いだした。彼はわたしの心にかなった者で、わたしのこころを余すところなく実行する。』

ピシデヤのアンテオケ(3)

ユダヤ人の歴史の回顧(2)

ピシデヤのアンテオケでのパウロの説教が続く。「それからカナンの地で、七つの民を滅ぼし、その地を相続財産として分配されました。これが、約四百五十年間のことです」。(1)裁きの期間が終わると、神はカナンの地をイスラエルの民に相続財産としてお与えになった。これは、アブラハム契約の中の土地の約束の成就である。(2)その際神は、その地に住んでいた7 つの民を滅ぼされた(申7:1 参照。そこには、ヘテ人、ギルガシ人、エモリ人、カナン人、ペリジ人、ヒビ人、およびエブス人の名が上がっている)。(3)約450 年間というのは、概数である。エジプトに寄留した期間(400 年)、荒野を放浪した期間(40 年)、カナンの地征服に要した期間(10 年)。
「その後、預言者サムエルの時代までは、さばき人たちをお遣わしになりました。それから彼らが王をほしがったので、神はベニヤミン族の人、キスの子サウロを四十年間お与えになりました」。(1)神は、土地を与えた上に、神から任命を受けた士師たちを遣わされた。それでも民は満足せず、他の国々のように王を欲しがった。(2)そこで神は、預言者サムエルに代わって王をお与えになった。ベニヤミン族の人、キスの子サウロが王となり、40 年間イスラエルを統治した。しかし、サウロは深刻な罪を犯したので、その王朝は断ち切られた(1 サム131314 参照)。
「それから、彼を退けて、ダビデを立てて王とされましたが、このダビデについてあかしして、こう言われました。『わたしはエッサイの子ダビデを見いだした。彼はわたしの心にかなった者で、わたしのこころを余すところなく実行する。』」。(1)神は、サウルに代わってダビデを王としてお立てになり、彼と無条件契約を結ばれた。これがダビデ契約である(2 サム7:1516 参照)。(2)ここで歴史の回顧は終わり、時代は1,000 年飛んで現代(パウロの時代)に至る。いよいよダビデの子孫、イエスが登場する。
私たちも、神から受けた恵みを思い起こそう。(1)神は、私のような者を選び、無条件契約に招いてくださった(新しい契約)。(2)神は、私を死の恐怖と罪の束縛から解放してくださった。(3)神は、信仰の弱い私を忍耐深く導いてくださった。「わがたましいよ。【主】をほめたたえよ。主の良くしてくださったことを何一つ忘れるな」(詩103:2)

きょうの祈り

天の父なる神さま。無条件契約の祝福に加えられていることを感謝します。この恵みのゆえ、きょうも信仰によって歩みます。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

エステル記7~8、詩篇117~118