1 ダビデはそこを去って、アドラムのほら穴に避難した。彼の兄弟たちや、彼の父の家のみなの者が、これを聞いて、そのダビデのところに下って来た。
2 また、困窮している者、負債のある者、不満のある者たちもみな、彼のところに集まって来たので、ダビデは彼らの長となった。こうして、約四百人の者が彼とともにいるようになった。
3 ダビデはそこからモアブのミツパに行き、モアブの王に言った。「神が私にどんなことをされるかわかるまで、どうか、私の父と母とを出て来させて、あなたがたといっしょにおらせてください。」
4 こうしてダビデが両親をモアブの王の前に連れて来たので、両親は、ダビデが要害にいる間、王のもとに住んだ。
5 そのころ、預言者ガドはダビデに言った。「この要害にとどまっていないで、さあ、ユダの地に帰りなさい。」そこでダビデは出て、ハレテの森へ行った。
ペリシテ人の町ガテを抜け出たダビデは、ベツレヘムの南西約20kmにあるアドラムの町に避難します。そこは、ペリシテの領地とユダの領地との境であり、町の周辺には多くのほら穴がありました。そのほら穴は、ダビデにとっては格好の隠れ場となりました。(1)そのことを伝え聞いた親族たちが、ダビデのもとにやって来ます。彼らは、サウル王に殺されることを恐れたのです。(2)さらに、サウルの専制的な統治によって苦しんでいた人たち、心に不満を募らせていた者たちがダビデのもとに集まるようになり、ついに400人の集団となりました。彼らはダビデを指導者として認めていました。
(1)ダビデは、年老いた両親のことを心配しました。老人にはあまりにも過酷な環境だったからです。(2)そこで彼は、家族を連れてモアブのミツパに行き、モアブの王に両親を託します。彼がエドムやアモンではなく、モアブの地を選んだのは、先祖のルツがその地の出身だったからです。(3)モアブの王はダビデを高く評価していたと思われます。王はダビデの願いどおりにその両親を引き受けます。(4)そのころ、モアブの要害にいたダビデのもとに預言者ガドが訪れ、神のことばを明確に語ります。その内容は、「この要害にとどまっていないで、さあ、ユダの地に帰りなさい」というものでした。これは非常に重要な預言でした。ダビデが召された地は、ユダの地です。そこでしか、ダビデの上には油注ぎがないのです。(5)そこでダビデはアドラムの要害を出て、さらに南東へ数キロのハレテの森に移って行きます。
ダビデの従順な姿に注目しましょう。ユダの地に移ることは、自らの身を危険にさらすことでもありました。しかし彼は、そこが神の約束の地であることを信じて、大胆にユダの地に向かいました。私たちの人生にも、このことが当てはまります。どんなに危険そうに見えても、みこころの場所にいることが最も安全なのです。あなたは今みこころの地から離れていませんか。もしそうなら、あなたにとっての「ユダの地」に帰りましょう。
きょうの祈り
天の父なる神さま。どうか私が、みこころの地にとどまり続けることができますように、私を守ってください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
年間聖書通読
サムエル記第一12~13、ルカの福音書23
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