1 その後、アモン人ナハシュが上って来て、ヤベシュ・ギルアデに対して陣を敷いた。ヤベシュの人々はみな、ナハシュに言った。「私たちと契約を結んでください。そうすれば、私たちはあなたに仕えましょう。」
2 そこでアモン人ナハシュは彼らに言った。「次の条件で契約を結ぼう。おまえたちみなの者の右の目をえぐり取ることだ。それをもって全イスラエルにそしりを負わせよう。」
3 ヤベシュの長老たちは彼に言った。「七日の猶予を与えてください。イスラエルの国中に使者を送りたいのです。もし、私たちを救う者がいなければ、あなたに降伏します。」
4 使者たちはサウルのギブアに来て、このことをそこの民の耳に入れた。民はみな、声をあげて泣いた。
5 そこへ、サウルが牛を追って畑から帰って来た。サウルは言った。「民が泣いているが、どうしたのですか。」そこで、みなが、ヤベシュの人々のことを彼に話した。
すべての事には時があります。そして、その時が来るのを待てる人は幸いです。サウルは王としての油注ぎを受けていましたが、一部の人からは軽んじられていました。彼は自分の町(ギブア)に帰り、農夫としての生活をしながら神の時が来るのを待ちました。そのサウルに、思わぬ方法で好機が到来しました。
(1)ヨルダン川の東岸にあるヤベシュ・ギルアデという町が、アモン人の王ナハシュによって包囲されました。(2)ヤベシュの住民たちは、和平条約を申し入れました。(3)それに対してアモン人ナハシュは、無理難題を押しつけてきました。「右の目をえぐり取ること」が契約の条件だというのです。右の目が見えなくなると、戦闘能力がなくなります。(4)7日の猶予をもらったヤベシュの長老たちは、イスラエル全土にこの悪い知らせを伝え、救いを求めます。ナハシュが7日の猶予を与えた理由は、包囲戦を継続するよりはそのほうが負担が軽くて済むからです。また、イスラエルに王が任命されていることを知らず、細分化されたままのイスラエルには反撃する能力がないと判断していたからです。
ヤベシュ・ギルアデの長老たちは、まず血縁関係のあったベニヤミン族の町ギブアにやって来ます(両者の血縁関係については、士師記21章参照)。そこは、新しく王となったサウルの出身地でもありました。ヤベシュからの使者たちの知らせを聞いたギブアの住民は、自分たちと近しい町があまりにも屈辱的な事態に直面していることを知って、声を上げて泣き出しました。そこに、サウルが牛を追って畑から帰って来ました。なぜ民が泣いているのかと問うサウルに、人々はヤベシュが直面している窮状を報告します。ここから、サウルの王としての活動の火ぶたが切られることになります。
神はご自身に忠実な者のために、一番良い時に、思いもかけない方法で、道を開いてくださいます。サウルの場合もそうでした。彼は自分が王になったことを言いふらさなくても、機会は自然に向こうからやって来ました。それは、神の御手の働きによるものです。私たちもまた神の時を読み、それを待つことを学ぼうではありませんか。
きょうの祈り
イスラエルの神よ。あなたはあらゆる事のために、最善の時を用意しておられます。神の時を見分ける目を私に与えてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
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