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マルコの福音書15:16~19

16 兵士たちはイエスを、邸宅、すなわち総督官邸の中に連れて行き、全部隊を呼び集めた。

17 そしてイエスに紫の衣を着せ、いばらの冠を編んでかぶらせ、

18 それから、「ユダヤ人の王さま。ばんざい」と叫んであいさつをし始めた。

19 また、葦の棒でイエスの頭をたたいたり、つばきをかけたり、ひざまずいて拝んだりしていた。

ローマ兵士たちによる陵辱

全部隊の集合

ローマ総督ピラトは、普段はカイザリヤに常駐していたのですが、祭りの期間のみ、エルサレムに上って来ました。エルサレム滞在中は、アントニヤ要塞ようさいの一角が官邸代わりに用いられていたと思われます。イエスの裁判は、ユダヤ人たちが汚れを受けることを嫌って官邸に入ることを拒否したため、官邸の外で行なわれました。判決が下ると、イエスは官邸の中に連行され、そこでローマ兵たちによる辱めを受けます。
(1)この時点では、すでに鞭打ちの刑が終わっていました。イエスの背中はざくろのように裂け、血が滴り落ちていたことでしょう。また、鞭の先が前に回りこむので、顔と胸も背中と同じように裂けていたことでしょう。(2)総督の兵士たちは、全部隊(大隊)をイエスの回りに集めています。ローマの一部隊の人数は、通常約600人です。(3)彼らは、イエスが「王」として告発された事実に基づいて、イエスを辱めます。「緋色の上着」は、王の色である紫に近い緋色であったのでしょう。「いばらの冠」、「葦の棒」なども、すべてイエスをからかうためのものでした。(4)最後には、つばきをかけ、取り上げた葦の棒でその頭をたたいています。日頃ユダヤ人に手を焼いていたローマ兵たちは、これで憂さ晴らしをしたのでしょう。

いばらの冠

イエスの頭は、鞭打ちの刑ですでに血が吹き出していました。その上にさらに「いばらの冠」をかぶせたのです。いばらがさらに傷の奥深くに食い込んだことでしょう。「いばらの冠」は、アダムの罪の呪いを象徴しています。創世記3章18節には、「土地は、あなたのために、いばらとあざみとを生えさえ」とあります。イエスの死は、アダムの罪の呪いを取り除くためのものであったのです。
最後の晩餐でイエスは、「これはわたしの契約の血です。多くの人のために流されるものです」(マルコ1424)と言われました。今、主イエスが、アダムの罪と私たちの罪を取り除くために、どれほどの恥と痛みを忍んでくださったかを黙想しましょう。兵士たちは、戯れにイエスの前にひざまずきましたが、私たちは信仰によってひざまずき、主イエスに感謝と礼拝を捧げましょう。

きょうの祈り

天の父なる神さま。主イエスの苦難を思い、心から感謝します。今、「イエスは主なり」と告白します。どうか、私の感謝と礼拝とをお受け取りください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

創世記45~46、ヨハネの福音書 1