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マルコの福音書15:2~5

2 ピラトはイエスに尋ねた。「あなたは、ユダヤ人の王ですか。」イエスは答えて言われた。「そのとおりです。」

3 そこで、祭司長たちはイエスをきびしく訴えた。

4 ピラトはもう一度イエスに尋ねて言った。「何も答えないのですか。見なさい。彼らはあんなにまであなたを訴えているのです。」

5 それでも、イエスは何もお答えにならなかった。それにはピラトも驚いた。

ピラトの前に立つイエス

ピラトとは

ローマはユダヤ地方を統治するために、総督を任命し、そこに派遣していました。ユダヤ民族は、ローマ帝国下にあって最も統治が難しい民族でした。反乱の危険は常につきまとっていました。ユダヤ総督は、通常はカイザリヤに滞在していましたが、祭りの期間は暴動が起こらないようにエルサレムに来て、ユダヤ人たちを監視しました。当時のユダヤ総督は、ポンテオ・ピラトでした。
(1)ピラトは、紀元26年から36年まで、ユダヤ総督を勤めました。イエスの裁判は、紀元30年に行なわれています。(2)彼は非常に残忍な支配者として知られていました。(3)彼は、朝早くイエスの裁判が行なわれることを予測していました(前の夜には、イエス逮捕のために、ローマ兵を派遣しています)。(4)ローマの裁判は、すべて公開で行なわれました。また、証人の訴えをもって裁判が始まりました。その訴訟を指揮したのが、ピラトです。

裁判の様子

並行記事(ヨハネ182838)を参考にしながら、裁判の流れを確認しましょう。(1)ユダヤ人たちは、過越の食事が食べられなくなることのないように、官邸の中には入りませんでした(神殿でほふられた小羊を食べる祭司たちのための食事です)。(2)そこでピラトが外に出て、ユダヤ人たちの訴えを聞きます。しかし、証人がいないので、裁判そのものが成立しないのです(3)ピラトは、これは政治的な案件ではないと判断し、自分たちの律法で裁くようにとユダヤ人たちに提案します。しかしユダヤ人たちは、自分たちには死刑執行が許されていないと説明し、なおも食い下がります。(4)ピラトは再度イエスを尋問しますが、イエスはどんな訴えに対しても一言もお答えになりません。
イエスは石打の刑ではなく、十字架刑で死ぬ必要がありました。木に架けられて死ぬことが、罪のための贖いとなる条件でした。ローマがユダヤ人たちから死刑を執行する権利を取り上げたのは、紀元30年、つまり、イエスの裁判の直前でした。神のご計画は、なんと素晴らしいことでしょうか。イエスの十字架の死は、私たちの罪を贖うためでした。十字架の上に神の愛が表われました。感謝して、これを受け入れましょう。

きょうの祈り

天の父なる神さま。あなたの配剤は、完璧です。主イエスが私の罪のために死なれたことを信じ、受け入れます。罪赦されたことを感謝します。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

創世記41~42、箴言 3

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