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マルコの福音書15:1

1 夜が明けるとすぐに、祭司長たちをはじめ、長老、律法学者たちと、全議会とは協議をこらしたすえ、イエスを縛って連れ出し、ピラトに引き渡した。

サンヘドリンからピラトへ

夜が明けると

ここまでの展開を再確認してみます。ゲッセマネで逮捕されたイエスは、影の実力者であるアンナス(大祭司カヤパのしゅうと)の尋問を受け、次に大祭司カヤパの官邸でサンヘドリンによる宗教裁判を受けました。これは夜中に行なわれた非公式の裁判でしたが、その場で冒涜罪で死刑に値することが決定されました。夜が明けると、再び裁判が開かれています。律法では、朝の犠牲が捧げられる前(午前9時前)に裁判を開いてはいけないことになっていました。それで、形式上、夜が明けてからの裁判であるかのように体裁を整えたのです。この裁判の様子は、ルカの福音書226671に記されています。サンヘドリンの議員たちは、「あなたがキリストなら、そうだと言いなさい」と追求します。彼らはすでに「冒涜罪で死刑」という判決を出していたのです。この質問は、それを確認するためのものでした。イエスは、「あなたがたの言うとおり、わたしはそれ(神の子)です」と言われました。これで、イエスの冒涜罪が確認されました。

総督ピラトのもとへ

当時、ユダヤ人には死刑を執行する権利が与えられておらず、ローマの法廷で死刑が確定しない限り、イエスを死刑にすることはできませんでした。そこで今度は、反逆罪を理由に、イエスをローマ総督ピラトに引き渡します。その時点で、ユダの役割は終わりました。ユダは宗教裁判と政治裁判の間に、自殺をしています(マタイ27:3~10)。人は、自らがいた種の刈り取りをすることになります。
イエスが弟子たちと過越の食事(最後の晩餐)を食べた木曜の夜から、十字架につけられる金曜の朝までのわずか半日の間に、実にさまざまなことが急テンポで展開しています。これは、ユダヤ人の指導者たちもイスカリオテのユダも、予想だにしなかったことです。神の小羊は、過越の祭りの期間に十字架につけられて死ぬというのが、神の計画でした。人は立ち騒ぎ、自らの思いを成し遂げようとします。しかし、神の計画だけが静かに、しかし確実に進行します。このことは、神を信じる者にとっては良き知らせです。あなたは、神とともに歩んでいますか。きょうも、神のみこころを求めて歩みましょう。

きょうの祈り

天の父なる神さま。人がいかに立ち騒いでも、あなたの計画は微動だにしません。きょうも、あなたのみこころの道を歩むことができますように。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

創世記39~40、詩篇 5~6