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ルツ記4:1~6

1 一方、ボアズは門のところへ上って行って、そこにすわった。すると、ちょうど、ボアズが言ったあの買い戻しの権利のある親類の人が通りかかった。ボアズは、彼にことばをかけた。「ああ、もしもし、こちらに立ち寄って、おすわりになってください。」彼は立ち寄ってすわった。

2 それから、ボアズは、町の長老十人を招いて、「ここにおすわりください」と言ったので、彼らもすわった。

3 そこで、ボアズは、その買い戻しの権利のある親類の人に言った。「モアブの野から帰って来たナオミは、私たちの身内のエリメレクの畑を売ることにしています。

4 私はそれをあなたの耳に入れ、ここにすわっている人々と私の民の長老たちとの前で、それを買いなさいと、言おうと思ったのです。もし、あなたがそれを買い戻すつもりなら、それを買い戻してください。しかし、もしそれを買い戻さないのなら、私にそう言って知らせてください。あなたをさしおいて、それを買い戻す人はいないのです。私はあなたの次なのですから。」すると彼は言った。「私が買い戻しましょう。」

5 そこで、ボアズは言った。「あなたがナオミの手からその畑を買うときには、死んだ者の名をその相続地に起こすために、死んだ者の妻であったモアブの女ルツをも買わなければなりません。」

6 その買い戻しの権利のある親類の人は言った。「私には自分のために、その土地を買い戻すことはできません。私自身の相続地をそこなうことになるといけませんから。あなたが私に代わって買い戻してください。私は買い戻すことができませんから。」

買い戻しを拒否する親類

町の門にて

社会人が取るべき道として最も安全なのは、正攻法で行くことです。合法的、かつ正当な取り引きは、その人の信用を高め、将来の繁栄を約束するものです。ボアズの行動から、教訓を学びましょう。
(1)ボアズは早速町の門のところに座り、買い戻しの権利のある親類の人を待ちました。町の門は、防衛上必要なだけでなく、会議の場となったり、裁判所となったり、市場となったりしました。ボアズはここで公開の取り引きを行なおうとしたのです。それは、どのような結論が出ようとも、事実に反する風評が立たないようにするための策でもありました。(2)そこに、その親類の人がやって来ました。畑に働きに出る人はすべて、その門を通過するのです。ボアズはそれを知っていました。(3)ボアズは10人の長老をそこに招いています。法的に重要な評決を下すためには、10人という人数が必要とされました。長老とは、老人という意味ではなく、町の役職を指す言葉です。10人の長老の評決によって、結婚は正式なものとなります。

ボアズの提案

ボアズは、モアブの野から帰って来たナオミが、亡き夫エリメレクの畑を売ることにしていると話を持ちかけます。もしその親戚の人がそれを買い戻すならそれでよし。買い戻さないなら、自分が買い戻すと言います。その親戚の人は、一旦は買うと言いながら、「モアブの女ルツも買わねばならない」と聞かされると、前言を翻します。その人は、モアブ人に偏見を持っていたのでしょう。あるいは、ルツが産む子に財産を持って行かれることを恐れたのかもしれません。
今日でも、多くの人たちが、神からの招きを断っています。その理由は、偏見があったり、経済的に損になると考えたりしているからです。キリスト教には好感を持っていると言いながら、ではあなたも信じませんかと言われると、距離を置いたり、逃げて行ったりするのです。非常に残念なことです。あなたのためにも、神は素晴らしい取り引きを用意しておられます。あなたはそれを喜んで受け取り、祝福を自分のものにしていますか。本当に価値あるものを見て、それを掴み取る人こそ、真の意味での人生の達人です。

きょうの祈り

イエス・キリストの父なる神さま。合法的、かつ正当な取り引きをすることができますように。あなたが与えてくださる機会を、見逃すことのありませんように。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

ヨブ記31〜33、ヘブル人への手紙4