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ローマ人への手紙8:15 〜 16

15 あなたがたは、人を再び恐怖に陥れるような、奴隷の霊を受けたのではなく、子としてくださる御霊を受けたのです。私たちは御霊によって、「アバ、父」と呼びます。

16 私たちが神の子どもであることは、御霊ご自身が、私たちの霊とともに、あかししてくださいます。

神の子にされるとはどういうことか

養子の霊

15節にはこうあります。「あなたがたは、人を再び恐怖に陥れるような、奴隷の霊を受けたのではなく、子としてくださる御霊を受けたのです。私たちは御霊によって、『アバ、父』と呼びます」。(1)神の子にされるとは、「養子の霊」を受けることです。「子としてくださる御霊」と訳されている言葉は、「養子の霊(the spirit of adoption)」のことです。それは、私たち信者に、自分は養子となったことを認識させる霊です。(2)「養子の霊」は、「奴隷の霊」とは対極にあるものです。2テモテ1:7にはこうあります。「神が私たちに与えてくださったものは、おくびょうの霊ではなく、力と愛と慎みとの霊です」。「おくびょうの霊」は、「奴隷の霊」です。(3)養子に迎えられた瞬間に、過去の関係は全て終了しました。つまり、信者は父なる神と新しい親子関係に入ったということです。そして信者には、新しい親子関係に伴う特権と責務が与えられました。

父なる神への呼びかけ

「私たちは御霊によって、『アバ、父』と呼びます」とあります。(1)「アバ」あるいは「アッバ」は、親密な呼びかけの言葉です。「呼ぶ」とは、深い感情が伴った呼びかけを意味する動詞です。英語で「call」ではなく、「cry」です(ギリシア語ではクラゾウ)。(2)イエスは父なる神に「アバ、父よ」と呼びかけています。マルコ1436にはこうあります。「またこう言われた。『アバ、父よ。あなたにおできにならないことはありません。どうぞ、このさかずきをわたしから取りのけてください。しかし、わたしの願うことではなく、あなたのみこころのままを、なさってください』」。これは、ゲツセマネの園での神の御子の祈りの言葉です。イエスは苦悶の中から父なる神に「アバ」と呼びかけました。(3)私たちもまた、父なる神と親密な関係に置かれています。それゆえ、絶望のときには、神に向かって「アバ」と呼びかけることができるのです。
「私たちが神の子どもであることは、御霊ご自身が、私たちの霊とともに、あかししてくださいます」(16節)。(1)ユダヤ人は神を「アバ」とは呼びません。しかし、私たちは神を「アバ」と呼びます。それは、自らの信仰の表現であり、実践でもあります。(2)そのとき、御霊が私たちの霊に確証を与えてくださいます。それは、「確かに私は神の子である」という確証です。

きょうの祈り

イエス・キリストの父なる神さま。苦難の日に、私は父なる神に向かって「アバ」と呼びかけます。私は神に愛され、神の養子となりました。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

創世記 1~2、詩篇 1~2