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ローマ人への手紙4:17 〜 22

17 このことは、彼が信じた神、すなわち死者を生かし、無いものを有るもののようにお呼びになる方の御前で、そうなのです。

18 彼は望みえないときに望みを抱いて信じました。それは、「あなたの子孫はこのようになる」と言われていたとおりに、彼があらゆる国の人々の父となるためでした。

19 アブラハムは、およそ百歳になって、自分のからだが死んだも同然であることと、サラのたいの死んでいることとを認めても、その信仰は弱りませんでした。

20 彼は、不信仰によって神の約束を疑うようなことをせず、反対に、信仰がますます強くなって、神に栄光をし、

21 神には約束されたことを成就じょうじゅする力があることを堅く信じました。

22 だからこそ、それが彼の義とみなされたのです。

アブラハムと義認(5)

アブラハムの信仰の普遍性とは何か

この箇所でパウロは、アブラハムの信仰の普遍性について論じています。
「このことは、彼が信じた神、すなわち死者を生かし、無いものを有るもののようにお呼びになる方の御前で、そうなのです」(17節)とあります。新共同訳の訳は、「死者に命を与え、存在していないものを呼び出して存在させる神を、アブラハムは信じ、その御前でわたしたちの父となったのです」となっています。(1)いつの時代でも、信仰の対象は神です。私たちは、神を信じるのです。(2)私たちが信じる神は、「力ある神」です。「死者を生かし」とは、アブラハムとサラが老年になって子を産んだことを指しています。「存在していないものを呼び出して存在させる」とは、イサクはまだ生まれていないのに、神はその子を有るもののように呼んだということを指しています。(3)アブラハムは、その神を信じる信仰によって、私たちの父となったのです。
次に、信仰の内容は神の約束です。「彼は望みえないときに望みを抱いて信じました。それは、『あなたの子孫はこのようになる』と言われていたとおりに、彼があらゆる国の人々の父となるためでした」(18節)とあります。これは、創世記15:5からの引用です。

揺るぎない信仰

さらに、彼は希望に反して信じました。望み得ないのに信じたのです。「アブラハムは、およそ百歳になって、自分のからだが死んだも同然であることと、サラの胎の死んでいることとを認めても、その信仰は弱りませんでした」(19節)とあります。人間的には、絶望的な状況でした。しかし、神の約束のゆえに、アブラハムには希望がありました。
最後に彼は、疑わないで信じました。「彼は、不信仰によって神の約束を疑うようなことをせず、反対に、信仰がますます強くなって、神に栄光を帰し、神には約束されたことを成就する力があることを堅く信じました。だからこそ、それが彼の義とみなされたのです」(2022節)。希望がなくなればなくなるほど、信仰が働く余地が増えます。だからこそ、アブラハムはその信仰によって義認を受けたのです。
私たちの神が、無から有を生み出すお方であることを思い起こし、きょうも信仰を持ってこの世に出て行きましょう。

きょうの祈り

イエス・キリストの父なる神さま。どうか私に、揺るぎない信仰を与えてください。アブラハムの信仰にならう者とさせてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

ダニエル書7~8、ペテロの手紙 第一4