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マタイの福音書26:57 ~ 61

57 イエスをつかまえた人たちは、イエスを大祭司カヤパのところへ連れて行った。そこには、律法学者、長老たちが集まっていた。

58 しかし、ペテロも遠くからイエスのあとをつけながら、大祭司の中庭まで入って行き、成り行きを見ようと役人たちといっしょにすわった。

59 さて、祭司長たちと全議会は、イエスを死刑にするために、イエスを訴える偽証ぎしょうを求めていた。

60 偽証者がたくさん出て来たが、証拠しょうこはつかめなかった。しかし、最後にふたりの者が進み出て、

61 言った。「この人は、『わたしは神の神殿をこわして、それを三日のうちに建て直せる』と言いました。」

イエスの裁判(1)

黒幕アンナス

当時、ユダヤ人たちは死刑を執行しっこうする権利を剥奪はくだつされていた。つまり、ユダヤの法廷で死刑判決を出しても、ローマの法廷で同じ判決が出ない限りは、死刑を執行することができなかったのである。そこで彼らは、宗教裁判で死刑判決を出し(冒涜罪ぼうとくざい)、次にイエスをローマの法廷に訴えようとした(反逆罪)。当時のユダヤ人たちが置かれていた立場からすると、イエスを死刑にするのは容易なことではなかった。
さて、逮捕されたイエスは、ずアンナスのところへ連行されたが(予備審問しんもん、ヨハネ18 章)、その部分はマタイの福音書でははぶかれている。アンナスは、紀元7 ~14 年まで大祭司を務めたが、それ以降も、かげの実力者として君臨していた。この年の大祭司であったカヤパは、アンナスの娘婿むすめむこである。神殿内での両替や犠牲ぎせいの動物の売買は、アンナス一家の管理下にあった。イエスが公生涯の最初と最後に行った「宮きよめ」は、アンナスにとってゆるせないことであった。

大祭司カヤパ

アンナスは、イエスを大祭司カヤパのもとに送った。(1)カヤパの官邸にサンヘドリン(ユダヤ議会)が召集された。ユダヤの律法(ミシュナ法)によれば、サンヘドリンは神殿内でのみ召集されるものであるから、これは違法行為である。(2)サンヘドリンは71 人の議員からなっていたが、議会を開会するためには、最低23 人の出席が必要であった。この夜の召集はあまりにも唐突とうとつだったので(先例がない)、出席した議員は少数であったと思われる。少なくとも、ニコデモやアリマタヤのヨセフには、声はかからなかったであろう。(3)大祭司カヤパは、イエスを訴えるための偽証ぎしょうを求めていたが、うまく行かなかった。最後の二人が、「この人は、『わたしは神の神殿をこわして、それを三日のうちに建て直せる』と言いました」と偽証した。これこそ、カヤパが求めていた証言である。神殿の破壊は、ローマの法廷でも死刑に値する重罪である。
イエスを死刑にしようとしていた人たちがいかに混乱し、あわてふためいていたかに注目しよう。彼らは、過越すぎこしの祭りが終わってからイエスを逮捕することにしていたが、神の時はすでに来ていた。イエスは、過越の祭りの間に十字架につくことになっていた。神の時が来たなら、だれもそれを止めることはできない。神の時が来たなら、私たちに対する神の計画はすべて実現する。その確信は、試練に耐える力となる。きょうも、主イエスに忠実にお仕えしよう。

きょうの祈り

天の父よ。私の心には多くの計画があります。しかし、あなたの御心だけが成ります。あなたの時を待ち望み、忍耐をもって歩むことができますように。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

歴代誌 第二33~34、ヨハネの黙示録21