4 そこで、イエスは彼らに答えて言われた。「人に惑わされないように気をつけなさい。
5 わたしの名を名のる者が大ぜい現れ、『私こそキリストだ』と言って、多くの人を惑わすでしょう。
6 また、戦争のことや、戦争のうわさを聞くでしょうが、気をつけて、あわてないようにしなさい。これらは必ず起こることです。しかし、終わりが来たのではありません。
この箇所から、「オリーブ山の説教」と呼ばれるイエスの一連の教えが始まる。弟子たちの3 つの質問に答える前に、イエスは、これから訪れようとしている教会時代の一般的な特徴についてお語りになる。その特徴は2 つあるが、これらのものは、終末時代の「しるし」ではなく、教会時代を通して見られる現象である。
(1)イエスは、偽のメシア(偽キリスト)の出現を予告された。ユダヤ人の歴史の中で、自分はメシアであると宣言した最初の人物は、イエスである。それ以降、数々の自称メシアが出現した。紀元2 世紀に反乱を起こしたバル・コクバも、自称メシアであった。また、20 世紀にはシュネルソンというユダヤ人が米国のニューヨークに登場し、彼をメシアと仰ぐ運動が起こった。異邦人の中からも、自称メシアが現れている。世界基督教統一神霊協会(統一教会)の創立者であり教祖である文鮮明は、その代表格である。しかし、惑わされてはならない。偽のメシアの出現は、「世の終わり」のしるしではない。それは、教会時代を貫いて起こる一般的な現象なのだから。
(2)次にイエスは、「戦争のことや、戦争のうわさ」について言及された。「戦争のことや、戦争のうわさ」とは、地域紛争や小規模な戦争を指す言葉である。いつの時代にあっても、紛争や戦争は絶えることがない。これらのことは、「世の終わり」が来る前に必ず起こることであるが、これ自体は「世の終わりのしるし」ではない。
教会時代の2 つの特徴を思い起こそう。「偽のメシア」と「小規模な戦争」がそれである。この2 つの出来事を見たからと言って、あわてたり、世の終わりが来たと思ったりしてはならない。私たちは、「人に惑わされないように」、いつも注意深くしている必要がある。多くの人々が異端的な教えに引きずり込まれていく理由は、「聖書に関する無知」である。今の時代にあっても、国際政治や国際紛争を分析しながら、個々の事例を聖書預言に当てはめようとする人が多くいる。しかし、そのような営みは空しいものであり、人々を混乱させるだけである。終末に関する聖書の教えを熱心に学び、バランスの取れたクリスチャン生活を志そう。
では、「世の終わりのしるし」とは何か。次回(7 ~8 節)、それについて学ぶことにする。
きょうの祈り
イエス・キリストの父なる神さま。終末に関する聖書の教えを、正しく理解する力を私に与えてください。誤った教えに惑わされることのないように、私を守ってください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
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