7 民族は民族に、国は国に敵対して立ち上がり、方々にききんと地震が起こります。
8 しかし、そのようなことはみな、産みの苦しみの初めなのです。
前回の箇所でイエスは、教会時代の一般的な特徴を2 つ上げて、それらのものは「終わりの時代のしるし」ではないと語られた。この箇所はその続きで、「世の終わりはいつ来るか、そのしるしは何か」という質問(弟子たちの第3 の質問)への回答になっている(マタ24:7 ~8、マコ13:8、ルカ21:10 ~11)。
(1)「民族は民族に、国は国に敵対して立ち上がる」というのが、世の終わりに突入したことの「しるし」である。問題は、その言葉が何を意味しているかという点である。旧約聖書やラビ文書の用例を見ると、ユダヤ的にはこの言葉は「世界戦争」を意味していることが分かる。この戦争は、6 節に出てきた地域紛争とは根本的に異なる。(2)世界戦争という「しるし」のほかに、さらに「ききん」と「地震」という「しるし」も伴う。(3)「しかし、そのようなことはみな、産みの苦しみの初めなのです」とある。つまり、世の終わりには、一連の苦難が続くが、世界戦争、飢饉、地震などは、その初めであるという意味である。一連の苦難が、メシア的王国(千年王国)を産み出すための陣痛の苦しみにたとえられている。
(1)第一次世界大戦(1914 ~18 年)は、ここで預言されている「世界戦争」そのものである。この大戦は、人類の歴史上最初の世界大戦である。第二次世界大戦は、その延長線上で起こったものである。(2)第一次世界大戦は、人類の歴史が「世の終わり」の時代に突入したことの「しるし」である。これを境に、預言的に見て非常に重要な事が起こっている。① 第一次世界大戦は、シオニズム運動に拍車をかけた。② 第二次世界大戦は、ユダヤ人国家再建につながった。1948 年に誕生したイスラエル共和国がそれである。③ さらに、1967 年の第三次中東戦争によって、イスラエルはエルサレムの再統合を成し遂げた。
イスラエルは再び、「預言的時間を示す時計」としての役割を果たし始めた。「世の終わり」と言われる時代がどれほどの期間続くのか、私たちには分からない。しかし、預言的には、人類の歴史が最終段階を迎えていることだけは確かである。今という時が与えられている間に、福音宣教に励もうではないか。やがて、だれも働くことのできない夜が来る。きょうという日を無駄にすることのないように、主に祈ろう。「わたしたちは、わたしを遣わした方のわざを、昼の間に行わなければなりません。だれも働くことのできない夜が来ます」(ヨハ9:4)
きょうの祈り
全知全能の神よ。今は終わりの時です。人類の歴史は、聖書預言どおりに進んでいます。どうか、光のあるうちに、福音を宣べ伝えることができますように。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
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