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創世記49:13

13 ゼブルンは海辺に住み、そこは船の着く岸辺。その背中はシドンにまでいたる。

ゼブルン族の将来

海辺の民

次に、ゼブルンに関して次のような預言がなされる。「ゼブルンは海辺に住み、そこは船の着く岸辺。その背中はシドンにまで至る」。(1)彼らが相続する土地は、海辺の近くとなる。実際の相続地は、地中海に面していたわけではないが(ヨシ19:10 ~16 参照)、海洋貿易から富を得る民となるという意味で、このように預言されたのであろう(アシェル族は海沿いの領地を得、ナフタリ族はガリラヤ湖沿いの領地を得るようになる)。(2)約束の地を走る最も重要な通商路は、「海沿いの道(ヴィア・マリス)」と呼ばれるものであるが、この通商路は、ゼブルンの地を通っていた。(3)ゼブルン族の領地はくじで決まるのであるが(ヨシ19:10 ~16)、ヤコブはそのはるか以前に、この部族の領地が海岸沿いの地域になることを言い当てた。この事実によって、ヤコブの預言は聖霊せいれいによるものであることが分かる。(4)ゼブルン族の活動範囲は、海洋都市であったシドンにまで至ることが預言された。

その後の歴史

その後のゼブルン族の歴史を見てみよう。(1)士師しし時代になると、彼らは、カナン人やミデヤン人と勇敢ゆうかんに戦うようになる(士4:6、10、5:14、18、6:35 など参照)。(2)ダビデが全イスラエルの王になった時、この部族は多大な貢献こうけんをするようになる(1 歴12:33、40)。(3)預言者ヨナは、ゼブルンのガテ・ヘフェルの出身であった(2 列14:25)。(4)預言者イザヤは、ゼブルンの地がメシアの活動の中心地となることを預言している。「…先にはゼブルンの地とナフタリの地は、はずかしめを受けたが、後には…異邦人のガリラヤは光栄を受けた」。(イザ9:1)。イエスが育ったナザレの町は、ゼブルンの地にあった。マタイ4:15 ~16 は、イザヤ9:1 の預言が成就したことを告げている(マタイの福音書は、ユダヤ人読者を想定している)。
最後に、二つの事実に着目しよう。神の預言のことばは、時が来ると、100正確に成就する。各々の部族に、その部族にしか出来ない役割が与えられている。これは、私たちにも適用出来る真理である。神が私たちをもユニークにお用いくださることを覚え、はげましをいただこうではないか。

きょうの祈り

アブラハム、イサク、ヤコブの神よ。各々の部族に独特の使命が与えられていたように、私にも特別な役割が与えられていることを信じます。あなたから受けた賜物を死蔵することのありませんように、私を励ましてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

イザヤ書34~35、ローマ人への手紙14