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創世記49:5~7

5 シメオンとレビとは兄弟、彼らの剣は暴虐ぼうぎゃくの道具。

6 わがたましいよ。彼らの仲間に加わるな。わが心よ。彼らのつどいに連なるな。彼らは怒りにまかせて人を殺し、ほしいままに牛の足の筋を切ったから。

7 のろわれよ。彼らの激しい怒りと、彼らのはなはだしいいきどおりとは。私は彼らをヤコブの中で分け、イスラエルの中に散らそう。

シメオンとレビの将来

土地のない部族

シメオンとレビは、土地のない部族として一括して取り上げられている。この2 人は、同じ母(レア)から生まれた「兄弟」であり、暴虐を働いた共犯者(34章)でもある。彼らは、ディナ事件において暴虐の限りを尽くした。イスラエルの民が戦うようになるカナン征服戦争は、神の命令によるものであるが(カナン人の罪を裁く戦い)、シメオンとレビが行ったことは、復讐のための攻撃であった。ルベンが持っていた長子の権利は、シメオンかレビが引き継ぐべきものであるが、彼らは、その暴虐性の故に退しりぞけられた。私たちの怒りは、義に基づくものでなければならない(神の義が守られるようにという動機でなければならない)。

罪に対する裁き

ヤコブは、シメオン族とレビ族の上に呪いを宣言した。「のろわれよ。彼らの激しい怒りと、彼らのはなはだしい憤りとは」「私は彼らをヤコブの中で分け、イスラエルの中に散らそう」。(1)シメオン族は、最も人数の少ない部族となった。出エジプト後2 年目の人口調査では、シメオン族の人口は5 万9,300 人(民1:23)、約40 年後の第2 回人口調査では、2 万2,200 人に激減する(民26:14)。バアル・ペオルを礼拝し、姦淫かんいんの罪を犯した(民25 章)ことが、人口減少の理由である。さらに、モーセの祝福(申33 章)でも、デボラの歌(士5 章)でも、シメオン族は無視されている。(2)シメオン族の相続地は、ユダ族の相続地の中にあったが(ヨシ19:1、9)、ダビデの治世以後は、ユダ族の相続地に統合され(1 歴4:31)、シメオン族の人々は国中に離散して行く(1 歴4:3 ~43)。王国分裂の時点では、すでに多くの人々が北方に移住していた。(3)レビ族は、戦いに参加しないので人口調査はしていない。彼らは国中に散らされ、レビ人の町と呼ばれる48 の町々に住むことになる。彼らの収入は、イスラエル人が奉納物としてささげるものの10 分の1 である(民18:20 ~24、35:1 ~8)。(4)しかし、レビ族には、呪いに代えて重要な役割が与えられた(レビ族出身のモーセの信仰の故であろう)。レビ族は、幕屋での奉仕に任じられ(出38:21、民1:50)、モーセの兄アロンの家系は祭司職に召された(出28:1)。そして、神ご自身がレビ族の相続地となってくださった。
レビ族の歴史は、呪いが信仰によって祝福に変えられた例である。私たちの場合も、信仰があれば、いかなる逆境も祝福に変えられる。神は私たちを祝福しようとして待っておられる。

きょうの祈り

天の父なる神さま。きょうも光の子どもらしく歩むことができますように、私を励まし、導いてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

イザヤ書30~31、ローマ人への手紙12