14 ユダと兄弟たちがヨセフの家に入って行ったとき、ヨセフはまだそこにいた。彼らはヨセフの前で顔を地に伏せた。
15 ヨセフは彼らに言った。「あなたがたのしたこのしわざは、何だ。私のような者はまじないをするということを知らなかったのか。」
16 ユダが答えた。「私たちはあなたさまに何を申せましょう。何の申し開きができましょう。また何と言って弁解することができましょう。神がしもべどもの咎をあばかれたのです。今このとおり、私たちも、そして杯を持っているのを見つかった者も、あなたさまの奴隷となりましょう。」
17 しかし、ヨセフは言った。「そんなことはとんでもないことだ。杯を持っているのを見つかった者だけが、私の奴隷となればよい。ほかのあなたがたは安心して父のもとへ帰るがよい。」
ヨセフは、兄弟たちが戻って来るのを待っていた。「ユダと兄弟たちがヨセフの家に入って行ったとき、ヨセフはまだそこにいた。彼らはヨセフの前で顔を地に伏せた」。(1)この時点で、ユダが兄弟たちの中で指導的地位に立っている。ベニヤミンの保証人となっていたユダは、命がけで彼を救出するつもりでいた。(2)彼らは、顔を地に伏せた。今までは、権威ある者に敬意を表するための拝礼であったが、この時点では、しもべ(奴隷)として主人に向かって顔を地に伏せている。これでヨセフの最初の夢(兄弟たちの麦の束がおじぎをする)は成就した。(3)ヨセフは、「あなたがたのこのしわざは何事ですか。わたしのような人は、必ず占い当てることを知らないのですか」(口語訳)と語った。これもまたヨセフの演技である。(4)ユダは、いっさい申し開きをしなかった。物証があるからである。むしろ彼は、「神がしもべどもの咎をあばかれた」と語った。これは、ヨセフを奴隷に売ったことを指している。彼は杯を持っているのを見つかった者を含めて、全員が奴隷になると申し出た。
ヨセフは、「そんなことはとんでもないことだ。杯を持っているのを見つかった者だけが、私の奴隷となればよい。ほかのあなたがたは安心して父のもとへ帰るがよい」と告げた。これは、兄たちへのそそのかしである。(1)「お前たちに罪はないのだから、安心して帰れ。父のもと(故郷)には自分の家族がおり、自分の家畜がいて、平穏な生活が待っている。だから帰ればよい」。(2)この言葉でヨセフは、兄たちがベニヤミンを見捨てて故郷に帰るかどうかをテストしている。もし兄たちがヨセフの提案を受け入れるなら、彼らの本質は昔と変わっていないということになる。ヨセフが兄たちに課しているテストは、興味本位のものではなく、やむにやまれぬものである。その証拠に、兄たちとの和解の過程で、ヨセフは何度も泣いている(合計5 回)。
彼の涙は、キリストが罪人の悔い改めを待っている時に流しておられる涙に通じる。パウロは、神の涙を代弁してこう書いている。「こういうわけで、私たちはキリストの使節なのです。ちょうど神が私たちを通して懇願しておられるようです。私たちは、キリストに代わって、あなたがたに願います。神の和解を受け入れなさい」(2 コリ5:20)。この聖句によって、神の愛の深さを体験する者は、幸いである。
きょうの祈り
イエス・キリストの父なる神さま。あなたは私のために多くの涙を流してくださいました。今、あなたの和解を受け入れます。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
年間聖書通読
列王記第二13~14、使徒の働き25
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