イシュマエルのトルドット（歴史）

第7 のトルドットは「イシュマエルの歴史」であるが、これは非常に短い。（1）これは、イシュマエルの子孫がどうなったのかという歴史である。イシュマエルは、エジプト人ハガルがアブラハムに産んだ息子である。（2）イシュマエルの12 人の息子の名が列挙されている。「すなわちイシュマエルの子の名は、その生まれた順の名によれば、イシュマエルの長子ネバヨテ、ケダル、アデベエル、ミブサム、ミシュマ、ドマ、マサ、ハダデ、テマ、エトル、ナフィシュ、ケデマである」。（3）イシュマエルから、12 部族が出た。これは、創世記17：20 の成就である。「イシュマエルについては、あなたの言うことを聞き入れた。確かに、わたしは彼を祝福し、彼の子孫をふやし、非常に多く増し加えよう。彼は十二人の族長たちを生む。わたしは彼を大いなる国民としよう」。神は、ご自身の約束に忠実なお方である。

イシュマエルの死

イシュマエルは、137 歳で死んだ。イサクのトルドット（歴史）に入る前に、傍系ぼうけいであるイシュマエルのトルドットを終えておくのが創世記の記述法である。主流は、あくまでもイサクの家系である。
「イシュマエルの子孫は、ハビラから、エジプトに近い、アシュルへの道にあるシュルにわたって、住みつき」とある。（1）北はユーフラテス川から、南は紅海まで。西はシナイ半島の北から、東はバビロンの西国境まで。これは、ほぼアラビヤ半島全域にわたる地域である。（2）イシュマエルの子孫がアラブ人であることは、地理的分布で分かる。（3）「それぞれ自分のすべての兄弟たちに敵対して住んだ」とあるが、これは、創世記16：12 の成就である。
イシュマエルの子孫であるアラブ人は、いつもユダヤ人に敵対しているように見えるが、聖書預言によれば、やがて彼らもキリストの救いに入れられるようになる。それを預言した箇所は、イザヤ19：23 ～25 である。神がいかにイシュマエルとその子孫たちに真実を示されたかを思い起こそう。神の約束は、とこしえに絶えることがない。イエス・キリストを信じた私たちは、神の愛が永遠であることを信じている。事実、キリストにある神の愛から私たちを切り離すものは何もないのだ。「私たちすべてのために、ご自分の御子をさえ惜おしまずに死に渡された方が、どうして、御子といっしょにすべてのものを、私たちに恵んでくださらないことがありましょう」（ロマ8：32）。このことばは真実である。