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創世記12:4 ~ 9

4 アブラムは【主】がお告げになったとおりに出かけた。ロトも彼といっしょに出かけた。アブラムがハランを出たときは、七十五歳であった。

5 アブラムは妻のサライと、おいのロトと、彼らが得たすべての財産と、ハランで加えられた人々を伴い、カナンの地に行こうとして出発した。こうして彼らはカナンの地に入った。

6 アブラムはその地を通って行き、シェケムの場、モレのかしの木のところまで来た。当時、その地にはカナン人がいた。

7 そのころ、【主】がアブラムに現れ、そして「あなたの子孫に、わたしはこの地を与える」と仰せられた。アブラムは自分に現れてくださった【主】のために、そこに祭壇を築いた。

8 彼はそこからベテルの東にある山のほうに移動して天幕を張った。西にはベテル、東にはアイがあった。彼は【主】のため、そこに祭壇を築き、【主】の御名によって祈った。

9 それから、アブラムはなおも進んで、ネゲブのほうへと旅を続けた。

約束の地に入る(1)

旅立ち

 「アブラムは主がお告げになったとおりに出かけた」(4 節)。アブラムは神の命令に従順に従った。この従順さのゆえに、創世記12:1~3 の約束が、無条件の約束として機能し始めるのである。ヘブル11:8 に次のような解説がある「信仰によって、アブラハムは、相続財産として受け取るべき地に出て行けとの召しを受けたとき、これに従い、どこに行くのかを知らないで、出て行きました」
 5~6 節には旅立ちの様子が書かれている。これは当時の一般的な記述方式にならったものである。・家の主人である○○が、・○○を伴って、・○○を持って、・○○に向かって旅立った。ここでは、・アブラムが、・妻のサライと甥のロトとハランで加えられたしもべたちを伴って、・すべての財産を持って、・カナンの地に向かって旅立った(創11:31、36:6、46:5~6、出19:2~4 参照)。この時、アブラムは75 歳であった。

シェケムに到着

 ついにアブラムは、カナンの地に入った。そこは、「シェケムの場」と呼ばれている。つまり、シェケムの郊外である。彼は、シェケムの町を避けて移動した。さらにそこは、「モレの樫の木のところ」と呼ばれている。「モレ」には「教師」や「占い師」などの意味がある。「モレの樫の木」はカナン宗教の聖木であり、その場所はカナン人の宗教の中心地であった。アブラムは、そこに最初の宿営を設けた。自分の神が偶像神よりも優位に立つお方であることを宣言したのである。カナンの地はアブラムに約束されたものであるが、そこには道徳的に堕落だらくした偶像礼拝者たちが住んでいたので、アブラムはカナン人の宗教や文化の影響を受けないところに自らを置いたのである。
 シェケムは、聖書の中では「決断の場所」としてたびたび登場する。出エジプトの時代になると、イスラエル人たちはここで、祝福か呪いかの選択を迫られるようになる(申11:29~30)。また、このシェケムでソロモン王国の分裂が決定的になる(1 列12 章。シェケムに関しては、創35:4、ヨシ24:26、士9:6 など参照)。
 アブラムの信仰から教訓を学ぼうではないか。彼は、偶像礼拝が蔓延まんえんしている地に住みながら、自らの神の優位性を宣言し、偶像礼拝の影響を排除した。私たちも、神はいかなる偶像神よりもはるかに偉大なお方であることを確認し、日々の生活に適用しよう。この世の習慣ではなく、神の御心に従うことを選び取ろうではないか。

きょうの祈り

天地創造の神よ。あなた以外に神はいません。偶像の国、日本にあって、私はあなたの御名を心からたたえます。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

創世記 11~12、マルコの福音書 4