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出エジプト記15:6 〜 18

6 【主】よ。あなたの右の手は力にかがやく。【主】よ。あなたの右の手は敵を打ちくだく。

7 あなたは大いなる威力いりょくによって、あなたに立ち向かう者どもを打ち破られる。あなたがえるいかりを発せられると、それは彼らをかぶのようにくす。

8 あなたの鼻の息で、水は積み上げられ、流れはせきのように、まっすぐ立ち、大いなる水は海の真ん中で固まった。

9 敵は言った。『私は追って、追いついて、略奪りゃくだつした物を分けよう。おのれの望みを彼らによってかなえよう。つるぎを抜いて、この手で彼らを滅ぼそう。』

10 あなたが風をかせられると、海は彼らを包んでしまった。彼らは大いなる水の中になまりのように沈んだ。

11 【 主】よ。神々のうち、だれかあなたのような方があるでしょうか。だれがあなたのように、聖であって力強く、たたえられつつ恐れられ、くすしいわざを行うことができましょうか。

12 あなたが右の手を伸ばされると、地は彼らをのみこんだ。

13 あなたがあがなわれたこの民を、あなたは恵みをもって導き、御力みちからをもって、聖なる御住みすまいに伴われた。

14 国々の民は聞いてふるえ、もだえがペリシテの住民をらえた。

15 そのとき、エドムの首長らは、おじまどい、モアブの有力者らは、震え上がり、カナンの住民は、みな震えおののく。

16 恐れとおののきが彼らを襲い、あなたの偉大な御腕みうでにより、彼らが石のように黙りますように。【主】よ。あなたの民が通り過ぎるまで。あなたが買い取られたこの民が通り過ぎるまで。

17 あなたは彼らを連れて行き、あなたご自身の山に植えられる。【主】よ。御住まいのためにあなたがお造りになった場所に。主よ。あなたの御手がかたく建てた聖所に。

18 【主】はとこしえまでもべ治められる。」

モーセの歌(2)

第2 連(6 〜12 節)

モーセの歌は、聖書に記録されている最初の詩である。ヘブルの詩の形式は、対句法である。対句法で書かれた行がいくつか集まって、連(スタンザ)を構成する。モーセの歌は、3 連から成っている。
第2 連のテーマは、神の力である。6 節には、「【主】よ。あなたの右の手は力に輝く。【主】よ。あなたの右の手は敵を打ち砕く」とある。「右の手」とは、剣を持つ手である。これは擬人法ぎじんほうで、神を人間にたとえて歌ったものである。エジプトの軍勢が全滅したのは、【主】がその右の手で戦われたからである。8 節には、「あなたの鼻の息で、水は積み上げられ、流れはせきのように、まっすぐ立ち、大いなる水は海の真ん中で固まった」とある。「鼻の息」とは、強い東風のことである。東風は自然現象だが、それによって海の水が立ち上がったのは、超自然現象である。11 節には、「【主】よ。神々のうち、だれかあなたのような方があるでしょうか」とある。エジプトの敗北は、エジプトの偶像の敗北である。地上のすべての偶像は、【主】の前では無力である。

第3 連(13 〜18 節)

第3 連のテーマは、【主】にある希望である。13 節には、「あなたが贖われたこの民を、あなたは恵みをもって導き、御力をもって、聖なる御住まいに伴われた」とある。「恵み」と訳された言葉は、ヘブル語で「ヘセッド」で、契約に基づく「恵み」「忠実さ」を意味する。神はアブラハム契約をいつまでも覚えておられ、その約束を忠実にお守りになる。そのことを「ヘセッド」と言う。モーセは、【主】の「ヘセッド」を思い起こし、将来に大いなる希望を見いだしている。
出エジプトの出来事は、近隣諸国きんりんしょこくに恐れを与えた。名が上がっているのは、ペリシテ人、エドム人、モアブ人、カナン人である。この事件から40 年後、エリコの遊女ラハブは、イスラエルの神に対する恐れを告白している(ヨシ2:9 〜11)。
17 節でモーセは、「あなたは彼らを連れて行き、あなたご自身の山に植えられる」と歌っている。つまり、【主】が彼らを約束の地に導かれるということである。彼らはその地で大いに繁栄はんえいする。【主】の恵み(ヘセッド)は、私たちにとっても希望の源泉である。「ユダヤ人とギリシヤ人との区別はありません。同じ主が、すべての人の主であり、主を呼び求めるすべての人に対して恵み深くあられるからです」(ロマ10:12)。主の御名を呼び求める人は幸いである。

きょうの祈り

イエス・キリストの父なる神さま。私もモーセとともにほめ歌を歌います。あなたは力ある神、約束に忠実な神です。それゆえ、私の未来は希望に満ちています。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

ヨシュア記17~18、ルカの福音書6