7 これらのことの後、主人の妻はヨセフに目をつけて、「私と寝ておくれ」と言った。
8 しかし、彼は拒んで主人の妻に言った。「ご覧ください。私の主人は、家の中のことは何でも私に任せ、気を使わず、全財産を私の手にゆだねられました。
9 ご主人は、この家の中では私より大きな権威をふるおうとはされず、あなた以外には、何も私に差し止めてはおられません。あなたがご主人の奥さまだからです。どうして、そのような大きな悪事をして、私は神に罪を犯すことができましょうか。」
10 それでも彼女は毎日、ヨセフに言い寄ったが、彼は、聞き入れず、彼女のそばに寝ることも、彼女といっしょにいることもしなかった。
11 ある日のこと、彼が仕事をしようとして家に入ると、家の中には、家の者どもがひとりもそこにいなかった。
12 それで彼女はヨセフの上着をつかんで、「私と寝ておくれ」と言った。しかしヨセフはその上着を彼女の手に残し、逃げて外へ出た。
「ヨセフは顔も美しく、体つきも優れていた」(新共同訳)とある。何か事件が起こりそうな予感がする文である。(1)そのヨセフに目をつけたのが、ポティファルの妻だった。彼女はヨセフに命令した。日本語訳を比較してみよう。「わたしと寝なさい」(口語訳)。「私と寝ておくれ」(新改訳)。「わたしの床に入りなさい」(新共同訳)。(2)これは強烈な誘惑である。主人の妻からの命令だからである(現代流に言えば、パワハラ、セクハラ)。さらに、異国で孤独な生活を送っているので、誰も見ていないという点も誘惑の原因となる。(3)また、この事件の背後にサタンがいることを見逃してはならない。もしヨセフがこの誘惑に乗るなら、神の計画は破壊されるのである。
ヨセフは、彼女の誘惑をはねのけた。(1)「(主人は)あなた以外には、何も私に差し止めておられない」というのがその理由である。エデンの園にあった「善悪の知識の木」を思い出してみよう。エバにとって、一つだけ禁止されていることが誘惑の原因になった。ヨセフの場合は、同じことが誘惑を拒否する理由となっている。(2)ヨセフは、主人の信頼を裏切ることはできないと言い、さらに神を裏切れないとも言った。兄弟たちから裏切られた彼にとっては、神だけが信頼できるお方である。ヨセフは夢の実現へと進み始めていたのである。途中でその歩みから外れるようなことは、ヨセフにとっては考えられないことであった。
それでも、ポティファルの妻は誘惑をくり返した。ヨセフは、彼女に近寄らないように最大限の努力をしたが、ある日、家の中に彼女しかいない状況が訪れた。これは、仕組まれた状況であろう。ポティファルの妻は、ヨセフの上着をつかんで、ヨセフに命令した。危険を察知したヨセフは、上着を彼女の手に残したままで、外に逃げた。この状況下では、逃げるのが最善の対応策である。性的な誘惑が襲って来た時、その場で戦うのではなく、逃げるのが一番である。パウロは、2 テモテ2:22 で、弟子テモテにこう勧めている。「それで、あなたは、若い時の情欲を避け、…」。「避ける」とはまさに、ここでヨセフが行ったことである。誘惑にあった時、主からの知恵をいただこう。神の計画と祝福を、少しばかりの快楽で破壊するのは愚かなことである。自分がキリストにあってどういう者になっているか、自己認識を新たにしようではないか。
きょうの祈り
イエス・キリストの父なる神さま。逃げることが最善の策である場合があることを教えてくださり、感謝します。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
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