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創世記30:35~36

35 ラバンはその日、しま毛とまだら毛のあるやぎと、ぶち毛とまだら毛のめすやぎ、いずれも身に白いところのあるもの、それに、羊の真っ黒のものを取り出して、自分の息子たちの手に渡した。

36 そして、自分とヤコブとの間に三日の道のりの距離をおいた。ヤコブはラバンの残りの群れを飼っていた。

ラバンの欺き

契約違反

ラバンは邪悪じゃあくな男である。ヤコブと契約を結びながら、早速さっそくいつわりの行動に走る。きたない手を使って、ヤコブの取り分が増えないように画策かくさくする。「ラバンはその日、しま毛とまだら毛のある雄やぎと、ぶち毛とまだら毛の雌やぎ、いずれも身に白いところのあるもの、それに、羊の真っ黒のものを取り出して、自分の息子たちの手に渡した」。(1)ラバンには、息子たちが誕生していた。息子たちの誕生は、ヤコブの到着以降に起こったことで、創世記の読者には新しい情報である。(2)ラバンが選別して自分の息子たちに渡した家畜は、契約上、ヤコブの所有となるものであった。ヤコブは、わずかばかりの家畜を元手に、そこから生まれて来るものを、自分のための賃金にしようとしていたのである。(3)ラバンのこの画策により、ヤコブは全くのゼロから蓄財ちくざいを開始しなければならなくなった。ラバンがヤコブを欺くのは、これが2 度目である。

三日の道のり

さらにラバンは、ヤコブの群れが増える可能性を消し去った。「そして、自分とヤコブとの間に三日の道のりの距離をおいた。ヤコブはラバンの残りの群れを飼っていた」。(1)3 日の距離を置いたというのは、ラバンの息子たちの群れとヤコブの群れが交配する可能性をゼロにしたということである。これだけの距離があると、2 つの群れの接触せっしょくがなくなる。(2)この状態では、いつまでってもヤコブが受け取る群れは誕生しないということである。(3)ラバンは、ヤコブの財産が増えないようにして、できるだけ長く彼を留めようとしたのである。(3)ここでは、誰が誰を欺いているか、注意する必要がある。ヤコブは非常に控え目な提案をしたが、ラバンはさくろうした。にもかかわらず、ヤコブは忠実に働いた。そこに、ヤコブの高潔こうけつな性質が見られる。
私たちもまた、不当な扱いを受けた時、どう対応するか注意する必要がある。神はすべてをご存じである。騙すよりも、騙された方がよい。「神を愛する人々、すなわち、神のご計画に従ってされた人々のためには、神がすべてのことを働かせてえきとしてくださることを、私たちは知っています」(ロマ8:28)という聖句を思い出そう。すべてが益となるためには、「神を愛する人々」であり続けることが大切である。不当な扱いを受けても、神を愛し続ける人には、必ず祝福の時がおとずれる。

きょうの祈り

全知全能の神よ。あなたはすべてをご存じです。神を愛することを目標に、きょうもこの世に出て行きます。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

士師記1~2、ルカの福音書10