6 そこで使徒たちと長老たちは、この問題を検討するために集まった。
7 激しい論争があって後、ペテロが立ち上がって言った。「兄弟たち。ご存じのとおり、神は初めのころ、あなたがたの間で事をお決めになり、異邦人が私の口から福音のことばを聞いて信じるようにされたのです。
8 そして、人の心の中を知っておられる神は、私たちに与えられたと同じように異邦人にも聖霊を与えて、彼らのためにあかしをし、
9 私たちと彼らとに何の差別もつけず、彼らの心を信仰によってきよめてくださったのです。
10 それなのに、なぜ、今あなたがたは、私たちの父祖たちも私たちも負いきれなかったくびきを、あの弟子たちの首に掛けて、神を試みようとするのです。
11 私たちが主イエスの恵みによって救われたことを私たちは信じますが、あの人たちもそうなのです。」
12 すると、全会衆は沈黙してしまった。そして、バルナバとパウロが、彼らを通して神が異邦人の間で行われたしるしと不思議なわざについて話すのに、耳を傾けた。
ペテロの話が続く。「それなのに、なぜ、今あなたがたは、私たちの父祖たちも私たちも負いきれなかったくびきを、あの弟子たちの首に掛けて、神を試みようとするのです。私たちが主イエスの恵みによって救われたことを私たちは信じますが、あの人たちもそうなのです」。(1)ペテロは、ユダヤ主義者たちの主張の問題点を指摘する。①トーラーは、信者の肩に重くのしかかる「くびき」である。②それは、「私たちの父祖たちも私たちも負いきれなかった」ものである。③トーラーのすべてを実行できる人はいない。一点でも違反すれば、律法全体に違反したことになる。④口伝律法は、モーセの律法の拡大解釈であり、さらに複雑になっている。⑤異邦人に割礼や口伝律法を強要することは、「くびき」を負わせることである。(2)ユダヤ主義者たちの主張は、神を試みようとすることである。①「試みる」は、ギリシア語で「ペイラゾウ」である。②使徒5:9 にあるサッピラに対するペテロの言葉が、それである。「どうしてあなたがたは心を合わせて、主の御霊を試みたのですか。・・・」。③神は恵みと信仰によって異邦人を救われたのだから、神の判断に逆らうのは、神の権威に挑戦し、神を試みることになる。(3)ペテロは、自分たちが救われたのと同じ方法で異邦人も救われたと主張した。これは、異邦人にとって律法からの解放宣言となった。この発言が、ペテロが使徒の働きに登場する最後となった。ペテロの貢献によって、パウロは、異邦人伝道の働きを継続できたのである。
「すると、全会衆は沈黙してしまった。そして、バルナバとパウロが、彼らを通して神が異邦人の間で行われたしるしと不思議なわざについて話すのに、耳を傾けた」。(1)ペテロの最終的な発言によって、全会衆は沈黙した。これ以上議論することがなくなったのである。(2)バルナバの名がパウロよりも先に出ているのは、エルサレム教会では彼の知名度の方が高かったからであろう。バルナバとパウロは、第一次伝道旅行の証しをした。①神は彼らを通して、異邦人の間で多くのしるしと不思議を行われた。②神が無条件の救いを認めていないとしたら、このようなことは起こらなかった。
新約時代の聖徒たちは、トーラーのくびきから解放され、新しいくびき(キリストの律法)を負うようになった。それは、負いやすく軽いくびきである(マタ11:28 ~ 30)。
きょうの祈り
天の父なる神さま。トーラーのくびきから解放され、キリストの律法が与えられている、この恵みを感謝します。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
年間聖書通読
歴代誌 第一10~11、ヨハネの黙示録3
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