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使徒の働き13:23 ~ 37

23 神は、このダビデの子孫から、約束に従って、イスラエルに救い主イエスをお送りになりました。

24 この方がおいでになる前に、ヨハネがイスラエルのすべての民に、前もって悔い改めのバプテスマを宣べ伝えていました。

25 ヨハネは、その一生を終えようとするころ、こう言いました。『あなたがたは、私をだれと思うのですか。私はその方ではありません。ご覧なさい。その方は私のあとからおいでになります。私は、その方のくつのひもを解く値うちもありません。』

26 兄弟の方々、アブラハムの子孫の方々、ならびに皆さんの中で神を恐れかしこむ方々。この救いのことばは、私たちに送られているのです。

27 エルサレムに住む人々とその指導者たちは、このイエスを認めず、また安息日ごとに読まれる預言者のことばを理解せず、イエスを罪に定めて、その預言を成就させてしまいました。

28 そして、死罪に当たる何の理由も見いだせなかったのに、イエスを殺すことをピラトに強要したのです。

29 こうして、イエスについて書いてあることを全部成し終えて後、イエスを十字架から取り降ろして墓の中に納めました。

30 しかし、神はこの方を死者の中からよみがえらせたのです。

31 イエスは幾日にもわたり、ご自分といっしょにガリラヤからエルサレムに上った人たちに、現れました。きょう、その人たちがこの民に対してイエスの証人となっています。

32 私たちは、神が父祖たちに対してなされた約束について、あなたがたに良い知らせをしているのです。

33 神は、イエスをよみがえらせ、それによって、私たち子孫にその約束を果たされました。詩篇の第二篇に、『あなたは、わたしの子。きょう、わたしがあなたを生んだ』と書いてあるとおりです。

34 神がイエスを死者の中からよみがえらせて、もはや朽ちることのない方とされたことについては、『わたしはダビデに約束した聖なる確かな祝福を、あなたがたに与える』というように言われていました。

35 ですから、ほかの所でこう言っておられます。『あなたは、あなたの聖者を朽ち果てるままにはしておかれない。』

36 ダビデは、その生きていた時代において神のみこころに仕えて後、死んで父祖たちの仲間に加えられ、ついに朽ち果てました。

37 しかし、神がよみがえらせた方は、朽ちることがありませんでした。

ピシデヤのアンテオケ(5)

福音の提示(2)

パウロによる福音の提示が続く。「エルサレムに住む人々とその指導者たちは、このイエスを認めず、また安息日ごとに読まれる預言者のことばを理解せず、イエスを罪に定めて、その預言を成就させてしまいました。そして、死罪に当たる何の理由も見いだせなかったのに、イエスを殺すことをピラトに強要したのです」。(1)パウロは、イエスの公生涯を省略して直ちに十字架、埋葬、復活のテーマに入る。彼は、ユダヤ人の指導者たちは無知のゆえにイエスを有罪にしたと糾弾した。会堂では、安息日ごとにメシア預言が朗読されていたので、無知であることは、責任逃れの口実にはならない。指導者たちの無知を指摘する点は、ペテロのメッセージと同じである(使3:17 参照)。(2)イスラエルの指導者たちは、神の究極的な備え(提供)さえも拒否した。彼らは、メシア預言を理解しなかったが、結果的にはその預言を成就させてしまった。これは、歴史の大いなる皮肉である。サンヘドリンは、有罪の証拠がないのに、イエスをローマの法廷に訴えた。彼らは、ピラトに圧力を加え、イエスを死刑にすることを要求した。
「こうして、イエスについて書いてあることを全部成し終えて後、イエスを十字架から取り降ろして墓の中に納めました。しかし、神はこの方を死者の中からよみがえらせたのです」。(1)ここには「福音の三要素」が書かれている。イエスは十字架に付けられ、呪われた者として死なれた。イエスの死体は、墓に納められた。神はイエスを死者の中から甦らせた。(2)使徒1329 の訳文の比較をしよう。「イエスを十字架から取り降ろして墓の中に納めました」(新改訳)。「イエスを木から降ろして、墓に納めました」(新改訳2017)。「人々はイエスを木から降ろし、墓に葬りました」(新共同訳)。「人々はイエスを木から取りおろして墓に葬った」(口語訳)。原文では、スタウロス(十字架)ではなくクスロン(木)が使われている。十字架という言葉を使わないのは、会堂での公の説教という文脈の中での配慮である。ペテロも同じ配慮をしている(使2:23、5:301039)。
イエスが十字架に付けられ、墓に葬られ、復活されたというのは、歴史的事実である。私たちはその事実を確かめることはできないが、使徒たちの証言が、復活を信じる根拠を与えてくれている。主イエスは、初穂として死者の中から復活された。やがて私たちも、復活の体をいただくようになる。

きょうの祈り

父なる神さま。主イエスは、初穂として復活されました。私にも復活の約束が与えられていることを感謝します。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

ダニエル書1~2、ペテロの手紙 第一3