10 さて、ダマスコにアナニヤという弟子がいた。主が彼に幻の中で、「アナニヤよ」と言われたので、「主よ。ここにおります」と答えた。
11 すると主はこう言われた。「立って、『まっすぐ』という街路に行き、サウロというタルソ人をユダの家に尋ねなさい。そこで、彼は祈っています。
12 彼は、アナニヤという者が入って来て、自分の上に手を置くと、目が再び見えるようになるのを、幻で見たのです。」
13 しかし、アナニヤはこう答えた。「主よ。私は多くの人々から、この人がエルサレムで、あなたの聖徒たちにどんなにひどいことをしたかを聞きました。
14 彼はここでも、あなたの御名を呼ぶ者たちをみな捕縛する権限を、祭司長たちから授けられているのです。」
(1)アナニヤは、ユダヤから逃れて来た弟子の一人ではなく、最初からダマスコに住んでいたユダヤ人である。この時点で、福音宣教がダマスコにまで及んでいたことが分かるが、その経緯をルカは記録していない。アナニヤは、「律法を重んじる敬虔な人で、そこに住むユダヤ人全体の間で評判の良い人」(使22:12)であった。(2)アナニヤは、幻の中で主からの語りかけを受けた。①主は、「アナニヤよ」と彼の名を呼ばれた。②アナニヤは、「主よ。ここにおります」と答えた。これは、ヘブル語で「ヒネニ」である(創22:1 でのアブラハムの応答、イザヤ6:8 でのイザヤの応答も同じである)。
「すると主はこう言われた。「立って、『まっすぐ』という街路に行き、サウロというタルソ人をユダの家に尋ねなさい。そこで、彼は祈っています。・・・」。(1)アナニヤは、サウロというタルソ人をユダの家に尋ねるように命じられた。①その家は、「まっすぐ」という街路に面していた。「直線通り」(新共同訳)とも訳せる。これは、ダマスコの町を東西に平行に走る2 本のメインストリートの一つで、今日でもこの通りは残っている。②このユダに関しては何も情報がない。裕福で著名なユダヤ人であろう。③サウロは、ダマスコではこの人の家に滞在するつもりでいたのであろう。(2)サウロには、すでに幻が与えられていた。「アナニヤという者がやって来て、自分に手を置くと、目が再び見えるようになる」と。
「しかし、アナニヤはこう答えた。『主よ。私は多くの人々から、この人がエルサレムで、あなたの聖徒たちにどんなにひどいことをしたかを聞きました。・・・』」。(1)サウロの悪名は、ダマスコにまで届いていた。彼は、「あなたの聖徒たち」に酷いことをした。ここで初めて、信者は「聖徒」と呼ばれている。「聖徒」とは、「選び分けられた者」という意味である(ロマ1:1、エペ1:1、ピリ1:1 参照)。(2)サウロは、キリストを信じる者たちを捕縛するためにダマスコに来た。もし目が癒されたなら、再び信者を迫害する可能性があるとアナニヤは考えた。
神の計画は着々と進んでいる。サウロを窮地から救う役割は、アナニヤという弟子に与えられた。神は、普通の人を用いて御業を行われる。ここに、私たちへの教訓がある。信者一人ひとりに、その人にしかできない役割が与えられている。「主よ。ここにおります」と応答しようではないか。
きょうの祈り
イエス・キリストの父なる神さま。主よ、ここにおります。どうか、みこころのままに私を用いてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
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ホセア書8~9、コロサイ人への手紙4
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