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使徒の働き6:11 ~ 12

11 そこで、彼らはある人々をそそのかし、「私たちは彼がモーセと神とをけがすことばを語るのを聞いた」と言わせた。

12 また、民衆と長老たちと律法学者たちを扇動せんどうし、彼をおそってらえ、議会にひっぱって行った。

ステパノの逮捕

会堂の歴史

ステパノは、リベルテンの会堂の4 つのグループと議論したが、誰もそれに対抗することは出来なかった。ここで、会堂の歴史について確認しておこう。(1)会堂は、最初はユダヤ人の集まりを意味したが、時間の経過とともに、集まる場所を意味するようになった(教会も同じような経過を辿る)。(2)バビロン捕囚(前586 年)の期間に、神殿の代役として会堂が誕生した。会堂は、祈りとトーラーの学びのためのコミュニティセンターとなった。(3)捕囚からの帰還後、イスラエルの各地に会堂が建てられた。ディアスポラの地では、会堂はそのまま継続された。(4)紀元1 世紀、イスラエルの地には480 の会堂があったとされる。それぞれの会堂が、文化的均一性を保持した。会堂は、洗礼のための水を確保するために、水辺の近くに建てられた。ディアスポラの地では、会堂のそばに宿屋が建てられることが多かった。(5)使徒の働きには、会堂という言葉が19 回出て来る。会堂は、パウロの伝道旅行のためのインフラストラクチャーとなった。

偽証人

「そこで、彼らはある人々をそそのかし、『私たちは彼がモーセと神とをけがすことばを語るのを聞いた』と言わせた」。(1)リベルテンの会堂に属する者たちは、脅迫きょうはくか買収により、偽証ぎしょうする人々を立て、ステパノを追求した。ユダヤ教では、偽証は死罪に値するが、それにはおかまいなしであった。(2)「私たちは彼がモーセと神とをけがすことばを語るのを聞いた」というのが、偽証の内容である。彼らは、ステパノを冒涜罪ぼうとくざいで追求したのである。ミシュナによれば、冒涜罪とは「ヤハウェという神の契約の御名をみだりに口にすること」であるが、紀元1 世紀になると、冒涜罪のより広い解釈が行われていた可能性がある。
「また、民衆と長老たちと律法学者たちを扇動し、彼を襲って捕らえ、議会にひっぱって行った」。(1)偽証人の言葉を聞いただけで、民衆と長老たちと律法学者たちは激怒げきどした。彼らは徒党を組んでステパノを襲い、彼をサンヘドリンの前に立たせた。(2)イエスの弟子たちがサンヘドリンの前に立つ出来事が4 回起こる。ペテロとヨハネ(4:15)、使徒たち全員(5:27)、ステパノ(6:12)、パウロ(2230)。この場面は、その3 回目である。
信者が経験する試練は、神の計画が進展するための機会となる。この真理について黙想し、神からの平安を受けようではないか。

きょうの祈り

天の父なる神さま。試練は希望にいたります。どうか、あなたの平安で満たしてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

エレミヤ書44~45、コリント人への手紙 第二11

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