34 ところが、すべての人に尊敬されている律法学者で、ガマリエルというパリサイ人が議会の中に立ち、使徒たちをしばらく外に出させるように命じた。
35 それから、議員たちに向かってこう言った。「イスラエルの皆さん。この人々をどう扱うか、よく気をつけてください。
36 というのは、先ごろチゥダが立ち上がって、自分を何か偉い者のように言い、彼に従った男の数が四百人ほどありましたが、結局、彼は殺され、従った者はみな散らされて、あとかたもなくなりました。
37 その後、人口調査のとき、ガリラヤ人ユダが立ち上がり、民衆をそそのかして反乱を起こしましたが、自分は滅び、従った者たちもみな散らされてしまいました。
38 そこで今、あなたがたに申したいのです。あの人たちから手を引き、放っておきなさい。もし、その計画や行動が人から出たものならば、自滅してしまうでしょう。
39 しかし、もし神から出たものならば、あなたがたには彼らを滅ぼすことはできないでしょう。
ガマリエルはイエスを信じていた訳ではないが、理性的な議論を持ち込むことで、議員たちに冷静な判断を迫った。彼は使徒たちをしばらく外に出させた上で、こう語り始める。
「イスラエルの皆さん。この人々をどう扱うか、よく気をつけてください」。別の訳では、「イスラエルの人たち、あの者たちの取り扱いは慎重にしなさい」(新共同訳)となっている。次にガマリエルは、慎重にすべき歴史的理由を2 つ挙げる。
「というのは、先ごろチゥダが立ち上がって、自分を何か偉い者のように言い、彼に従った男の数が四百人ほどありましたが、結局、彼は殺され、・・・。その後、人口調査のとき、ガリラヤ人ユダが立ち上がり、民衆をそそのかして反乱を起こしましたが、・・・」。(1)最初に挙げられたのは、チゥダの例であるが、この反乱に関しては、詳細な記録が残っていない。この運動は一時的に広がったが、結局は消滅した。(2)次に、ガリラヤ人ユダの例が挙げられる。①これは、紀元6年に起こった納税に反対する運動である。これも、一時的に広がったが、結局は消滅した。②納税に反対する戦いは、次の数十年で熱心党の運動へと発展して行く。ちなみに、紀元66 年の反乱(第一次ユダヤ戦争)は、熱心党が主導したものである。
「・・・あの人たちから手を引き、放っておきなさい。もし、その計画や行動が人から出たものならば、自滅してしまうでしょう。しかし、もし神から出たものならば、あなたがたには彼らを滅ぼすことはできないでしょう。もしかすれば、あなたがたは神に敵対する者になってしまいます」。(1)ガマリエルの忠告は、以下のようなものである。①この運動が人から出たものなら、自滅するだろう。②この運動が神から出たものなら、彼らを滅ぼすことは出来ない(それどころか、神に敵対する者になる)。③それゆえ、手を引き、放っておくべきである。(2)この忠告をどのように評価すべきか。①この忠告は良い結果をもたらしたが、忠告の内容は常識に基づくもので、真理そのものではない。なぜなら、神から出ていないのに長続きしている団体は、いくつもあるからだ。②ガマリエルが提案すべき内容は、イエスがメシアであるかどうかをヘブル語聖書(旧約聖書)に基づいて論じることである。
人は、イエス・キリストに対して中立であることは出来ない。私たちはイエス・キリストを救い主と信じる信仰に導かれ、大いに喜んでいる。
きょうの祈り
天の父なる神さま。イエス・キリストを信じる信仰こそ、私の喜びです。きょうも私を導いてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
年間聖書通読
エレミヤ書30~31、コリント人への手紙 第二6
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