33 彼らはこれを聞いて怒り狂い、使徒たちを殺そうと計った。
使徒たちは、サンヘドリンの前で、「人に従うより、神に従うべきです」と答えた。使徒たちの大胆な証言を聞いて、議員たちは激怒した。
「彼らはこれを聞いて怒り狂い、使徒たちを殺そうと計った」。(1)使徒たちは、次のように証言したので、議員たちが怒り狂ったのである。①彼らは、イエスの死の責任はサンヘドリンにあると宣言した。②また彼らは、イエスの死、復活、昇天について力強く証しした。③さらに、いま起こっている奇跡の数々は、昇天したイエスの働きであると宣言した。④そのイエスは、イスラエルに悔い改めと罪の赦しを与えてくださると証言した。⑤彼らは、イエスの復活と昇天の証人である。聖霊もそのことの証人である。
(2)「怒り狂い」という動詞について考えてみよう。①これは、ギリシア語で「ディアプリオウ」という動詞である。②英語では、「They were cut to the heart」(KJV、ASV)である。③「心が切り裂かれた」「グサッと来た」というニュアンスの言葉である。④使徒2:37 では、罪責感が原因で人々の心が切り裂かれた。「人々はこれを聞いて心を刺され、ペテロとほかの使徒たちに、『兄弟たち。私たちはどうしたらよいでしょうか』と言った」。民衆は、ペテロのメッセージに悔い改めをもって応答したのである。⑤ここでは、怒りによって議員たちの心が切り裂かれている。指導者たちは、怒りと敵対心をもって応答したのである。
(3)「使徒たちを殺そうと計った」とあるが、これは律法違反である。①使徒4 章での尋問の内容は、「あなたがたは何の権威によって、また、だれの名によってこんなことをしたのか」(使4:7)というものであった。議員たちは、使徒たちの癒しの業が悪霊の力によるものかどうかを尋問しているのである。もしそうなら、これは石打ちの刑に値する罪である。②それに対して、使徒5 章で問われている使徒たちの罪は、サンヘドリンの権威に対する不従順である。この罪は、死刑に処すべきものではない。しかし彼らは、死刑を画策し始めた(法的根拠がない)。
使徒たちは、迫害が想定外のことだとは思っていない。彼らは、主イエスの警告のことば(マタ23:34 ~ 35)を覚えていた。イエスは、ご自分の受難だけでなく、弟子たちの受難も預言しておられたのである。イエスが遣わす使者は、イエスと同じように苦難に遭う。私たちも、信仰のゆえに経験する迫害や苦難に備える必要がある。苦難の中でも主イエスはともにいてくださる。
きょうの祈り
天の父なる神さま。主イエスに従う者は、自分の十字架を負わなくてなりません。苦難の中にある恵みを体験させてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
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エレミヤ書26~27、コリント人への手紙 第二4
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