6 サウルは、ダビデおよび彼とともにいる者たちが見つかった、ということを聞いた。そのとき、サウルはギブアにある高台の柳の木の下で、槍を手にしてすわっていた。彼の家来たちはみな、彼のそばに立っていた。
7 サウルは、そばに立っている家来たちに言った。「聞け。ベニヤミン人。エッサイの子が、おまえたち全部に畑やぶどう畑をくれ、おまえたち全部を千人隊の長、百人隊の長にするであろうか。
8 それなのに、おまえたちはみな、私に謀反を企てている。きょうのように、息子がエッサイの子と契約を結んだことも私の耳に入れず、息子が私のあのしもべを私に、はむかわせるようにしたことも、私の耳に入れず、だれも私のことを思って心を痛めない。」
9 すると、サウルの家来のそばに立っていたエドム人ドエグが答えて言った。「私は、エッサイの子が、ノブのアヒトブの子アヒメレクのところに来たのを見ました。
10 アヒメレクは彼のために【主】に伺って、彼に食料を与え、ペリシテ人ゴリヤテの剣も与えました。」
ダビデがなかなか捕まらないので、サウルのいらだちは日増しに募りました。(1)サウルは、ギブアで槍を笏代わりに持って王座に座り、回りにはべっている重臣たちに不満を漏らしていました。不満の内容は、ユダ部族出身のダビデが王となっても、ベニヤミン人である彼らを重視することはないのに、なぜダビデの動静を自分に教えてくれないのか、というものでした。また、息子のヨナタンがダビデをけしかけて自分にはむかわせているのに、それも知らせてくれなかったというものでした。(2)この時のサウルは、被害妄想の状態にありました。また、「だれも私のことを思って心を痛めない」という言葉から、彼が自己憐憫に陥っていたこともわかります。
神に反抗し続けると、正常な判断ができなくなり、ついに回りの者すべてが敵に見え始めます。友人が回りにいないサウルは、実に憐れむべき人物です。
このとき、サウルに助言するのではなく、取り入ろうとする人物が現われました。それが、エドム人ドエグです。(1)彼はサウルの重臣たちを押しのけて、こう言いました。「私は、エッサイの子が、ノブのアヒトブの子アヒメレクのところに来たのを見ました」。ドエグがダビデのことを、「エッサイの子」と呼んだのは、ダビデに対する軽蔑を表現することで、サウルの歓心を買うためです。(2)次にドエグは、「アヒメレクは彼のために主に伺って、彼に食料を与え、ペリシテ人ゴリヤテの剣も与えました」と証言しています。アヒメレクがパンと剣をダビデに与えたことはそのとおりですが、ダビデのために主にお伺いをたてたというのは正確ではありません。(3)ドエグの発言は、アヒメレクをダビデと同罪に陥れるためのものでした。猜疑心に満ちたサウルは、ドエグの言葉によって決定的にアヒメレクを疑うようになります。
ドエグの罪は、半分の真実しか語らなかったところにあります。それは、全くの嘘をつくのと同じ罪です。その結果、アヒメレク以下ノブの祭司たちが、サウルによって虐殺されることになります。言葉が凶器にもなりうることを覚え、自らの舌をしっかりと見張ろうではありませんか。
きょうの祈り
イエス・キリストの父なる神さま。どうか私が主を恐れ、いつも客観的な判断ができますように、私を導いてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
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