サウルの言い逃れ

罪人の特徴は、罪を指摘されたときに言い逃れをすることです。きょうの箇所でも、サウルは罪人の特徴を見せています。（1）サムエルはサウルに、彼がどんなに大切な地位に就けられているかを思い出させようとしています。サウルは、最初は小さな者でしたが、イスラエルの王に任命されました。（2）しかし彼は、アマレク人を聖絶せよとの主からの命令を退け、自らの目に良いと思われることを行ないました。（3）それにもかかわらず、自らの不従順を指摘されたとき、サウルは自分の義を主張しました。（4）アマレク人の王アガグが生きているという事実、また最上の羊と牛がいるという事実は、サウルがアマレク人を聖絶しなかったことを証明しています。（5）サウルは、民が最上のものを殺さなかったのは主にいけにえとするためであると主張し、恥の上塗りをしています。

いけにえよりも従順を

次にサムエルが語る言葉（22～23節）は、旧約聖書の中では最も重要なものの一つです。韻文になっていますので、サムエルの感情がほとばしり出ており、その内容が重要であることが強調されています。サムエルが語ったことの要点はこうです。（1）全焼のいけにえや、その他のいけにえよりも、従順であることを主は喜ばれる。従順はいけにえよりも勝っている。（2）不服従や反逆は、占いの罪や偶像礼拝の罪に等しい重罪である。（3）サウルは主のことばを退けたので、主もサウルを王座から退けた。
後代の預言者アモスもまた、公義や正義を欠いたいけにえは、むしろ主に忌み嫌われると厳しく民に語っています（アモス書5：21～24）。今の時代でも、財や時間を主に捧げながら、その心は主から遠く離れた所を歩んでいる人がいます。神が求めておられるのは、私たちの心であり、献身です。神に自分の意思を捧げていない者には、民の上に立って民を指導する資格はありません。もう一度、自らの従順と献身とを吟味し、主に喜ばれる奉仕をしているかどうか、聖霊に探っていただきましょう。