4 そのとき、【主】はサムエルを呼ばれた。彼は、「はい。ここにおります」と言って、
5 エリのところに走って行き、「はい。ここにおります。私をお呼びになったので」と言った。エリは、「私は呼ばない。帰って、おやすみ」と言った。それでサムエルは戻って、寝た。
6 【主】はもう一度、サムエルを呼ばれた。サムエルは起きて、エリのところに行き、「はい。ここにおります。私をお呼びになったので」と言った。エリは、「私は呼ばない。わが子よ。帰って、おやすみ」と言った。
7 サムエルはまだ、【主】を知らず、【主】のことばもまだ、彼に示されていなかった。
8 【主】が三度目にサムエルを呼ばれたとき、サムエルは起きて、エリのところに行き、「はい。ここにおります。私をお呼びになったので」と言った。そこでエリは、【主】がこの少年を呼んでおられるということを悟った。
9 それで、エリはサムエルに言った。「行って、おやすみ。今度呼ばれたら、『【主】よ。お話しください。しもべは聞いております』と申し上げなさい。」サムエルは行って、自分の所で寝た。
10 そのうちに【主】が来られ、そばに立って、これまでと同じように、「サムエル。サムエル」と呼ばれた。サムエルは、「お話しください。しもべは聞いております」と申し上げた。
11 【主】はサムエルに仰せられた。「見よ。わたしは、イスラエルに一つの事をしようとしている。それを聞く者はみな、二つの耳が鳴るであろう。
12 その日には、エリの家についてわたしが語ったことをすべて、初めから終わりまでエリに果たそう。
13 わたしは彼の家を永遠にさばくと彼に告げた。それは自分の息子たちが、みずからのろいを招くようなことをしているのを知りながら、彼らを戒めなかった罪のためだ。
14 だから、わたしはエリの家について誓った。エリの家の咎は、いけにえによっても、穀物のささげ物によっても、永遠に償うことはできない。」
当時少年サムエルは、主の宮で祭司エリの内弟子として仕えていました。その彼に、主からの呼びかけがありました。(1)最初彼は、エリが自分を呼んでいるものと思い、エリのところに行きました。その勘違いが、3度続くのです。サムエルはまだ主を体験的に知らなかったために、主の声と人間の声とを聞き分けることができなかったのです。(2)霊的に鈍くなっていたエリも、こういうことが3度も続くので、ようやく主がサムエルを呼んでおられることに気づき、サムエルに「主よ。お話しください。しもべは聞いております」と答えるように教えます。(3)エリにとっては、主が自分にではなく、少年サムエルに語りかけたのは残念なことであったと思われます。しかし彼は、嫉妬心を抱いたり、少年の霊的成長を妨害したりすることなく、指導者として正しい指示を出しています。年長者は、エリのこの姿勢から大いに学ぶことがあるはずです。若者が主の働きにおいて頭角を現わしてきた場合、その者を励まし、その成長を助けるのは、年長者として当然の務めです。
(1)主から4度目の呼びかけがありました。「サムエル。サムエル」と名前が2度呼ばれています。聖書で名前が2度呼ばれるのは、語られる内容が重要であることを強調するためです(出エジプト記3:4、ルカ10:41、使徒9:4参照)。(2)サムエルは、エリから教わったとおりに答えています。「お話しください。しもべは聞いております」。小さな応答でしたが、サムエルという信仰の偉人も、この小さな応答から主のしもべとしての生涯を歩み始めたのです。小さな一歩を軽んじてはなりません。(3)主から語られた内容は、非常に厳しいものでした。「それを聞く者はみな、二つの耳がなるであろう」とは、恐れと驚きで耳鳴りを起こすほどのものであるという意味です。(4)息子たちの罪と、親としてそれを放置した罪のために、エリの家は必ず裁かれ、その咎は償うことはできない、というのがその内容でした。
主は忍耐深いお方ですが(Ⅱペテロ3:9)、その忍耐を軽んじてはなりません。時が来れば、神は確実に罪を裁かれるからです。
きょうの祈り
天の父なる神さま。私も小さな第一歩から、あなたのしもべとしての歩みを始めます。お話しください。しもべは聞いております。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
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