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マルコの福音書15:33~37

33 さて、十二時になったとき、全地が暗くなって、午後三時まで続いた。

34 そして、三時に、イエスは大声で、「エロイ、エロイ、ラマ、サバクタニ」と叫ばれた。それは訳すと「わが神、わが神。どうしてわたしをお見捨てになったのですか」という意味である。

35 そばに立っていた幾人かが、これを聞いて、「そら、エリヤを呼んでいる」と言った。

36 すると、ひとりが走って行って、海綿に酸いぶどう酒を含ませ、それを葦の棒につけて、イエスに飲ませようとしながら言った。「エリヤがやって来て、彼を降ろすかどうか、私たちは見ることにしよう。」

37 それから、イエスは大声をあげて息を引き取られた。

イエスの最期

3時間にわたる暗黒

イエスが十字架につけられたのは、午前9時でした。12時になると全地は暗くなり、その状態が午後3時まで続きました。3時間の暗黒が地上を襲ったのです。(1)この暗黒は、神の怒りと裁きが下ったことを表わしています。(2)その間イエスは、人間として(人類の代表として)父なる神の怒りをその身に受けてくださいました。(3)イエスは、「わが神、わが神。どうしてわたしをお見捨てになったのですか」と祈られました。これは、十字架上での第四の祈りですが、詩篇22篇1節の引用でもあります。ユダヤ人の習慣では、最初の節を引用すると、その詩篇の全部を引用したことになります。(4)旧約聖書に記された代表的なメシア受難の預言は、詩篇22篇とイザヤ書53章です。イエスは、詩篇22篇を引用することによって、メシア受難の預言がご自身の十字架の死によって成就したことを示されました。

イエスの祈りに対する答

イエスの援助を求める祈りは、すぐさま父なる神によって聞き届けられました。(1)回りにいた人たちは、イエスがエリヤを呼んでいるのではないかと勘違いしました。ヘブル語では、「エリヤ」の短縮形は「エリ」です。「エリ」という言葉は、「わが神」とも「エリヤ」とも取れます。(2)イエスは最後に「大声で叫んで」、息を引き取られました。ルカだけがその叫びの内容を記しています(ルカ2346)。「父よ。わが霊を御手にゆだねます」。(3)「わが神」と呼びかけていたイエスが、ここでは再び「父よ」と呼びかけています。これは、イエスの祈りが聞かれ、断絶状態にあった父なる神との関係がただちに回復されたことを示しています。
イエスを信じるなら、私たちもイエスがした経験をするようになります。(1)私たちは、イエスとともに十字架につけられて神の怒りを経験しました。(2)イエスが神との関係を回復されたように、私たちもまたイエスにあって神との関係を回復することができます。(3)イエスという御名以外には、私たちが神の前で義とされる名はありません。イエスこそ私たちの救い、命です。今、イエスを通して父なる神に感謝の祈りを捧げましょう。

きょうの祈り

天の父よ。主イエスこそ救い、命、愛、光、希望です。主イエスの十字架によって、私はあなたと和解することができました。どうか、あなたの愛に応答するような生き方をさせてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

出エジブト記5~6、箴言 4