12 種なしパンの祝いの第一日、すなわち、過越の小羊をほふる日に、弟子たちはイエスに言った。「過越の食事をなさるのに、私たちは、どこへ行って用意をしましょうか。」
13 そこで、イエスは、弟子のうちふたりを送って、こう言われた。「都に入りなさい。そうすれば、水がめを運んでいる男に会うから、その人について行きなさい。
14 そして、その人が入って行く家の主人に、『弟子たちといっしょに過越の食事をする、わたしの客間はどこか、と先生が言っておられる』と言いなさい。
15 するとその主人が自分で、席が整って用意のできた二階の広間を見せてくれます。そこでわたしたちのために用意をしなさい。」
16 弟子たちが出かけて行って、都に入ると、まさしくイエスの言われたとおりであった。それで、彼らはそこで過越の食事の用意をした。
ユダヤ人たちは、今も過越の祭りを祝っています。この祭りは、数あるユダヤの祭りの中で最も重要なものです。出エジプト記12:1~8によれば、ニサンの月(第一の月)の14日の夕暮れに羊をほふり、その夜その肉を食するようにとあります。これが、過越の食事です。ちなみに、神殿で過越の羊がほふられるのは翌朝9時です。各家庭でほふられる羊と、神殿でほふられる羊とを混同しないようにしましょう。
イエスも弟子たちも、律法に忠実なユダヤ人として過越の食事をすることを習慣としていました。しかし、祭りの期間、都は巡礼者で混雑しており、ゆっくり食事ができる場所を見つけ出すのは容易なことではありません。ほとんどの巡礼者たちは、オリーブ山の山麓にテントを張って、そこに寝泊りしていました。宿舎と食事の場所を確保できるのは、よほど裕福な人たちだけでした。そういう状況の中で、弟子たちがイエスのもとに来て、どこで過越の食事の用意をしたらいいのかと問います。
イエスが遣わしたふたりの弟子たちとは、ルカの福音書22章によればペテロとヨハネであったことがわかります。(1)弟子たちには、過越の食事の場所は知らされていませんでした。イエスはすでに、ユダの裏切りのことをご存知でした。もし、過越の食事の前に、ユダの密告によって逮捕されたなら、神の計画は途中で挫折することになります。(2)ペテロとヨハネは、都に入って、「水がめを運んでいる男」を見つけるようにとの指示を受けます。この男が目印となった理由は、水がめを運ぶのは女の仕事であったため、男が水がめを担いでいると、非常に目立ったからです。(3)ふたりの弟子は、その男の入る家までついて行って、その家の主人にイエスのことばを伝えました。すると主人は、席が整って用意のできた二階の大広間を見せてくれました。すべてが、イエスの言われたとおりでした。
イエスが弟子たちと過越の食事をすることができたのは、無名のふたりの弟子(「水がめを運んでいる男」と「二階に大広間のある家の主人」)の献身的な行為の故でした。おのおのが各々の方法で主に仕えたのです。あなたは何をもって主に仕えようとしていますか。
きょうの祈り
天の父なる神さま。どうか私を、神の国の拡大のために用いてください。ふたりの無名の弟子のように、自分にできることをさせてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
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