13 イエスは彼らを離れて、また舟に乗って向こう岸へ行かれた。
14 弟子たちは、パンを持って来るのを忘れ、舟の中には、パンがただ一つしかなかった。
15 そのとき、イエスは彼らに命じて言われた。「パリサイ人のパン種とヘロデのパン種とに十分気をつけなさい。」
16 そこで弟子たちは、パンを持っていないということで、互いに議論し始めた。
17 それに気づいてイエスは言われた。「なぜ、パンがないといって議論しているのですか。まだわからないのですか、悟らないのですか。心が堅く閉じているのですか。
18 目がありながら見えないのですか。耳がありながら聞こえないのですか。あなたがたは、覚えていないのですか。
19 わたしが五千人に五つのパンを裂いて上げたとき、パン切れを取り集めて、幾つのかごがいっぱいになりましたか。」彼らは答えた。「十二です。」
20 「四千人に七つのパンを裂いて上げたときは、パン切れを取り集めて幾つのかごがいっぱいになりましたか。」彼らは答えた。「七つです。」
21 イエスは言われた。「まだ悟らないのですか。」
パリサイ人たちから離れたイエスは、再び舟に乗って向こう岸に移動されます。今回の旅行では、弟子たちはパンを持ってくるのを忘れ、そのことが気になっていたようです。事実、舟の中にはパンがただ一つしかなかったのです。ちょうどその時、イエスが「パリサイ人のパン種とヘロデのパン種とに十分気をつけなさい」とお命じになりました。「パン種」という言葉を聞いた弟子たちは、自分たちが叱られているのではないかと思い、議論を始めます。しかし、これは的外れの議論です。「パン種」という言葉(マタイ13:33)が象徴的に用いられた場合、それは常に罪や偽りの教理を指しています(Iコリント5:6~8参照)。的外れの議論を聞いたイエスは、弟子たちの誤解を正します。
イエスは弟子たちに、二度起こったパンの奇跡を思い出させています。2回とも、食べ切れないほどのパンが提供され、幾かごものパンが余りました。弟子たちは、それらの奇跡を通して、食べ物のことで心配しなくてもよいという真理を体験的に学んだはずでした。注意すべきは、象徴的な意味での「パン種」、つまり、「偽りの教え」です。イエスが警告を発したパン種とは、次のようなものです。(1)パリサイ人のパン種とは、「イエスはサタンの力によって奇跡を行なっている」という誤ったイエス理解です。(2)サドカイ人のパン種とは、「イエスは神殿礼拝そのものを否定している」という非難の言葉です。イエスは、形骸化した神殿礼拝や商売と化した祭儀制度を否定されましたが、モーセの律法には忠実に従っておられました。(3)ヘロデのパン種とは、ヘロデ党の者たちの教えのことで、「イエスはローマとヘロデの支配に敵対している」というものでした。
パン種は、最初は小さくても、粉全体に影響を及ぼします。私たちも、少しの霊的不純物、不信仰、否定的な言葉などが群全体に悪影響を及ぼすということを知っておく必要があります。「蛇のようにさとく、鳩のようにすなおでありなさい」(マタイ10:16)とは、弟子たちに対するイエスの勧めの言葉です。
きょうの祈り
天の父なる神さま。どうか私の霊の目を開き、あなたが語っておられることを、悟らしめてください。悪影響を及ぼすパン種が何であるかを、いつも教えてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
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