10 そしてすぐに弟子たちとともに舟に乗り、ダルマヌタ地方へ行かれた。
11 パリサイ人たちがやって来て、イエスに議論をしかけ、天からのしるしを求めた。イエスをためそうとしたのである。
12 イエスは、心の中で深く嘆息して、こう言われた。「なぜ、今の時代はしるしを求めるのか。まことに、あなたがたに告げます。今の時代には、しるしは絶対に与えられません。」
イエスは再びユダヤ人の地域に帰還しました(ダルマヌタ地方はガリラヤ湖の北西岸の地域)。そこで再び、パリサイ人たちとの論争が起こります。(1)マタイの平行記事によれば、今回はパリサイ人たちがサドカイ人たちと一緒になってイエスを攻撃しています。パリサイ人たちは律法に厳格で、政治的には反ローマの立場を取っていました。サドカイ人たちは貴族的なユダヤ人たちで、政治的には親ローマの立場を取っていました。このように、両者は立場を異にしていたのですが、今やイエスを共通の敵とすることで結びついています。(2)彼らは、イエスに天からのしるしを求めています。それは、イエスを試すためでした。これまでにイエスは、ご自身がメシアであることを証明する多くのしるし(奇跡)を行なってこられましたが、彼らにとっては、それらのものは「地獄(サタン)からのしるし」であって、「天からのしるし」ではなかったのです。
私たちも、信仰によって心が開かれていなければ、いくら聖書を読んでも、その意味を理解することができません。心が開かれるように、祈りましょう。
イエスは、深く嘆いておられます。イエスの応答の内容は、マタイの平行記事に詳しく書かれています(マタイ12:39、15:39~16:4参照)。(1)イエスは、ご自身がメシアであることを証明するしるしをすでに行なっておられました。(2)しかし、ユダヤ人たちがイエスのメシア性を拒否したので、それ以降は、彼らにはしるしが与えられなくなりました。(3)唯一の例外が、「預言者ヨナのしるし」です。「ヨナのしるし」とは、「復活」のことで、三つのものがありました。死んで4日もたったラザロの蘇生。死後3日目に起こったイエスの復活。そして、ヨハネの黙示録11章に出てくる2人の証人の復活(2人の証人とは、患難時代にユダヤ人伝道のために用いられる証人たちです)。
ユダヤ人たちがイエスのメシア性を拒否してからも、イエスは数々の奇跡を行なっておられますが、それらの奇跡は12弟子を訓練するためのものでした。今も、信仰を持っている者には、神の御手が見え始めます。
きょうの祈り
天の父なる神さま。どうか私の目と耳と心とを開いてください。あなたの御手がさやかに見え始めますように。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
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歴代誌 第一4~5、ヨハネの黙示録1
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