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士師記20:18~48

18 イスラエル人は立ち上がって、ベテルに上り、神に伺って言った。「私たちのため、だれが最初に上って行って、ベニヤミン族と戦うのでしょうか。」すると、【主】は仰せられた。「ユダが最初だ。」

19 朝になると、イスラエル人は立ち上がり、ギブアに対して陣を敷いた。

20 イスラエル人はベニヤミンとの戦いに出て行った。そのとき、イスラエル人はギブアで彼らと戦うための陣ぞなえをした。

21 ベニヤミン族はギブアから出て来て、その日、イスラエル人二万二千人をその場で殺した。

22 しかし、この民、イスラエル人は奮い立って、初めの日に陣を敷いた場所で、再び戦いの備えをした。

23 そしてイスラエル人は上って行って、【主】の前で夕方まで泣き、【主】に伺って言った。「私は再び、私の兄弟ベニヤミン族に近づいて戦うべきでしょうか。」すると、【主】は仰せられた。「攻め上れ。」

24 そこで、イスラエル人は次の日、ベニヤミン族に攻め寄せたが、

25 ベニヤミンも次の日、ギブアから出て来て、彼らを迎え撃ち、再びイスラエル人のうち一万八千人をその場で殺した。これらの者はみな、剣を使う者であった。

26 それで、すべてのイスラエル人は、全民こぞってベテルに上って行って、泣き、その所で【主】の前にすわり、その日は、夕方まで断食をし、全焼のいけにえと和解のいけにえを【主】の前にささげた。

27 そして、イスラエル人は【主】に伺い、──当時、神の契約の箱はそこにあった。

28 当時、アロンの子エルアザルの子ピネハスが、御前に仕えていた──そして言った。「私はまた、出て行って、私の兄弟ベニヤミン族と戦うべきでしょうか。それとも、やめるべきでしょうか。」【主】は仰せられた。「攻め上れ。あす、彼らをあなたがたの手に渡す。」

29 そこで、イスラエルはギブアの回りに伏兵を置いた。

30 三日目にイスラエル人は、ベニヤミン族のところに攻め上り、先のようにギブアに対して陣ぞなえをした。

31 すると、ベニヤミン族は、この民を迎え撃つために出て来た。彼らは町からおびき出された。彼らは、一つはベテルに、他の一つはギブアに上る大路で、この前のようにこの民を打ち始め、イスラエル人約三十人を戦場で刺し殺した。

32 ベニヤミン族は、「彼らは最初のときのようにわれわれに打ち負かされる」と思った。イスラエル人は言った。「さあ、逃げよう。そして彼らを町から大路におびき出そう。」

33 イスラエル人はみな、その持ち場を立ち、バアル・タマルで陣ぞなえをした。一方、イスラエルの伏兵たちは、自分たちの持ち場、マアレ・ゲバからおどり出た。

34 こうして、全イスラエルの精鋭一万人がギブアに向かってやって来た。戦いは激しかった。ベニヤミン族は、わざわいが自分たちに迫っているのに気がつかなかった。

35 こうして、【主】がイスラエルによってベニヤミンを打ったので、イスラエル人は、その日、ベニヤミンのうち二万五千百人を殺した。これらの者はみな、剣を使う者であった。

36 ベニヤミン族は、自分たちが打ち負かされたのを見た。イスラエル人がベニヤミンの前から退却したのは、ギブアに対して伏せていた伏兵を信頼したからであった。

37 伏兵は急ぎギブアに突入した。伏兵はその勢いに乗って、町中を剣の刃で打ちまくった。

38 イスラエル人と伏兵との間には、合図が決めてあって、町からのろしが上げられたら、

39 イスラエル人は引き返して戦うようになっていた。ベニヤミンは、約三十人のイスラエル人を打ち殺し始めた。「彼らは、きっと最初の戦いのときのように、われわれに打ち負かされるに違いない」と思ったのである。

40 そのころ、のろしが煙の柱となって町から上り始めた。ベニヤミンは、うしろを振り向いた。見よ。町全体から煙が天に上っていた。

41 そこへ、イスラエル人が引き返して来たので、ベニヤミン人は、わざわいが自分たちに迫っているのを見て、うろたえた。

42 それで、彼らはイスラエル人の前から荒野のほうへ向かったが、戦いは彼らに追い迫り、町々から出て来た者も合流して、彼らを殺した。

43 イスラエル人はベニヤミンを包囲して追いつめ、ヌアから東のほうギブアの向こう側まで踏みにじった。

44 こうして、一万八千人のベニヤミンが倒れた。これらの者はみな、力ある者たちであった。

45 また残りの者は荒野のほうに向かってリモンの岩に逃げたが、イスラエル人は、大路でそのうちの五千人を打ち取り、なお残りをギデオムまで追跡して、そのうちの二千人を打ち殺した。

46 こうして、その日ベニヤミンの中で倒れた者はみなで二万五千人、剣を使う力ある者たちであった。

47 それでも、六百人の者は荒野のほうに向かってリモンの岩に逃げ、四か月間、リモンの岩にいた。

48 イスラエル人は、ベニヤミン族のところへ引き返し、無傷のままだった町をはじめ、家畜、見つかったものすべてを剣の刃で打ち、また見つかったすべての町々に火を放った。

主の戦い

3度の戦い

聖書には、できれば避けて通りたいような箇所がいくつか出てきます。きょうの箇所も、その一つです。どの民族であっても、お互いを殺し合うことになる内戦はつらいものであり、痛みの記憶がいつまでも残るものです。それでも同胞を相手に戦わねばならないとするなら、そこには人間の正義ではない神の義がなければならないはずです。
イスラエル人のベニヤミン族に対する戦いは、3回にわたって行なわれています。(1)最初の戦いでは、イスラエル人2万2,000人が戦死しています。(2)2回目の戦いでも、イスラエル人1万8,000人が戦死しています。(3)3回目の戦いで、イスラエル人は敵をおびき出す戦略を取り、ついにベニヤミン族の兵士2万5,100人を殺すことができました。ベニヤミン族で逃れた者は、600人だけでした。一つの部族が、ほとんど消滅してしまったのです。

主の戦い

イスラエル人はベニヤミン族の町々をすべて破壊しています。これは、ヨシュアがエリコに対して行なったのと同じことです。かつてはカナン人に対して行なわれた「聖絶」という行為が、今度は12部族の一つであるベニヤミン族に対して行なわれたのです。このことから、イスラエル人たちがこの戦いを、「主の戦い」として認識していたことがわかります。(1)イスラエルの民は一つの民となって神の前に集まっています。(2)祭司が民のために神の導きを求めています。(3)それに対して神が答えています。(4)神が先頭に立ち、この戦いを戦っています(35節)。(5)これが「主の戦い」であることを認識していたイスラエル人は、ベニヤミンの町々を聖絶しています。
結局、この戦いはイスラエルを裁くための戦いだったのです。罪人である私たちの上にも神の聖なる怒りが下ります。しかしその怒りは、御子イエスの上に向けられました。主イエスは、「まことに、まことに、あなたがたに告げます。わたしのことばを聞いて、わたしを遣わした方を信じる者は、永遠のいのちを持ち、さばきに会うことがなく、死からいのちに移っているのです」(ヨハネ5:24)とお語りになりました。今、罪赦され、神と和解した者とされていることを、神に感謝しましょう。

きょうの祈り

イスラエルの神よ。あなたの怒りを受けて当然のこの私を、赦し、受け入れ、生かしてくださることを感謝します。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

マラキ書1~2、テモテへの手紙 第二4