忠実な部族

カナンの地の戦いは、終わりました。局部的な戦いは依然としてありましたが、全部族が一致して戦わねばならないような大きな戦いはなくなりました。そこでヨシュアは、ヨルダン川の東側に相続地を得ていた2部族半（ルベン族、ガド族、マナセの半部族）をその誓いから解き、彼らをその相続地に帰らせます。彼らはモーセの時代に、他の部族とともに最後まで戦うと誓約していたのです。（1）2部族半は、主にも、モーセにも、ヨシュアにも従い通しました。これは、三重の従順です。（2）ヨシュアは彼らを送り出すに当たって、これからもモーセの命令と律法をよく守り行なうようにと諭します。ヨシュアは、彼らが異教的な教えと接触し、偶像礼拝の民となることを最も恐れたのです。「主にすがり、心を尽くし、精神を尽くして、主に仕えなさい」とは、今の私たちにも適用される教えです。（3）次にヨシュアは、彼らを祝福し、分捕り物はヨルダン川の東側に残った人々と分けなさいと命じます。ヨルダン川の東岸には、確かに婦女子や老人を守るために残った男子たちがいました。その彼らの防御の労も報われねばならなかったのです。主の戦いに参加した者には、すべて公平に報いが与えられたのです。
彼らは、カナンの地のシロで他の部族の者たちと別れ、自分たちの相続地に戻って行きました。

私たちへの教訓

2部族半の三重の従順は、主への従順がその根底にあって達成されたものです。主に従順な人は、主が立てた組織や指導者に対しても従順です。彼らは順境の時も逆境の時も、主の前に立てた誓いを最後まで守り通しました。それゆえ、ヨシュアから祝福の言葉を受けて帰路に就くことができたのです。
主は約束したことを必ず実現されます。主の約束は永遠に変わることがないのです。それゆえ、主はご自身に従う者が約束を守ることを期待されます。「主よ。だれが、あなたの幕屋に宿るのでしょうか。だれが、あなたの聖なる山に住むのでしょうか。正しく歩み、義を行ない、心の中の真実を語る人。‥‥損になっても、立てた誓いは変えない。…このように行なう人は、決してゆるがされない」（詩篇15篇）。