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ヨシュア記8:3〜29

3 そこで、ヨシュアは戦う民全部と、アイに上って行く準備をした。ヨシュアは勇士たち三万人を選び、彼らを夜のうちに派遣した。

4 そのとき、ヨシュアは彼らに命じて言った。「聞きなさい。あなたがたは町のうしろから町に向かう伏兵である。町からあまり遠く離れないで、みな用意をしていなさい。

5 私と私とともにいる民はすべて、町に近づく。彼らがこの前と同じように、私たちに向かって出て来るなら、私たちは彼らの前で、逃げよう。

6 彼らが私たちを追って出て、私たちは彼らを町からおびき出すことになる。彼らは、『われわれの前から逃げて行く。前と同じことだ』と言うだろうから。そうして私たちは彼らの前から逃げる。

7 あなたがたは伏している所から立ち上がり、町を占領しなければならない。あなたがたの神、【主】が、それをあなたがたの手に渡される。

8 その町を取ったら、その町に火をかけなければならない。【主】の言いつけどおりに行わなければならない。見よ。私はあなたがたに命じた。」

9 こうして、ヨシュアは彼らを派遣した。彼らは待ち伏せの場所へ行き、アイの西方、ベテルとアイの間にとどまった。ヨシュアはその夜、民の中で夜を過ごした。

10 ヨシュアは翌朝早く民を召集し、イスラエルの長老たちといっしょに、民の先頭に立って、アイに上って行った。

11 彼とともにいた戦う民はみな、上って行って、町の前に近づき、アイの北側に陣を敷いた。彼とアイとの間には、一つの谷があった。

12 彼が約五千人を取り、町の西側、ベテルとアイの間に伏兵として配置してから、

13 民は町の北に全陣営を置き、後陣を町の西に置いた。ヨシュアは、その夜、谷の中で夜を過ごした。

14 アイの王が気づくとすぐ、町の人々は、急いで、朝早くイスラエルを迎えて戦うために、出て来た。王とその民全部はアラバの前の定められた所に出て来た。しかし王は、町のうしろに、伏兵がいることを知らなかった。

15 ヨシュアと全イスラエルは、彼らに打たれて、荒野への道を逃げた。

16 アイにいた民はみな、彼らのあとを追えと叫び、ヨシュアのあとを追って、町からおびき出された。

17 イスラエルのあとを追って出なかった者は、アイとベテルにひとりもないまでになった。彼らは町を明け放しのまま捨てておいて、イスラエルのあとを追った。

18 そのとき、【主】はヨシュアに仰せられた。「手に持っている投げ槍をアイのほうに差し伸ばせ。わたしがアイをあなたの手に渡すから。」そこで、ヨシュアは手に持っていた投げ槍を、その町のほうに差し伸ばした。

19 伏兵はすぐにその場所から立ち上がり、彼の手が伸びたとき、すぐに走って町に入り、それを攻め取り、急いで町に火をつけた。

20 アイの人々がうしろを振り返ったとき、彼らは気づいた。見よ、町の煙が天に立ち上っていた。彼らには、こちらへも、あちらへも逃げる手だてがなかった。荒野へ逃げていた民は、追って来た者たちのほうに向き直った。

21 ヨシュアと全イスラエルは、伏兵が町を攻め取り、町の煙が立ち上るのを見て、引き返して来て、アイの者どもを打った。

22 ある者は町から出て来て、彼らに立ち向かったが、両方の側から、イスラエルのはさみ打ちに会った。彼らはこの者どもを打ち、生き残った者も、のがれた者も、ひとりもいないまでにした。

23 しかし、アイの王は生けどりにして、ヨシュアのもとに連れて来た。

24 イスラエルが、彼らを追って来たアイの住民をことごとく荒野の戦場で殺し、剣の刃で彼らをひとりも残さず倒して後、イスラエルの全員はアイに引き返し、その町を剣の刃で打った。

25 その日、打ち倒された男や女は合わせて一万二千人で、アイのすべての人々であった。

26 ヨシュアは、アイの住民をことごとく聖絶するまで、投げ槍を差し伸べた手を引っ込めなかった。

27 ただし、イスラエルは、その町の家畜と分捕り物を、【主】がヨシュアに命じたことばのとおり、自分たちの戦利品として取った。

28 こうして、ヨシュアはアイを焼いて、永久に荒れ果てた丘とした。今日もそのままである。

29 ヨシュアはアイの王を、夕方まで木にかけてさらし、日の入るころ、命じて、その死体を木から降ろし、町の門の入口に投げ、その上に大きな、石くれの山を積み上げさせた。今日もそのままである。

アイの征服

伏兵の派遣

ヨシュアが用いた戦略とは以下のようなものでした。(1)ヨシュアは、勇士たち3万人を選び、夜のうちに彼らを派遣しています。(2)翌朝早く、ヨシュアは全軍を率いてアイに上り、町の北側に陣を敷きます。(3)そこの地形を見て判断したのでしょうが、ヨシュアはさらに約5,000人を取り、町の西側、ベテルとアイの間に伏兵として配置しました。先の3万人とほぼ同じ場所です。ベテルからも敵が攻めて来ることを想定し、そのための備えをしたのでしょう。(4)アイの王は敵が目の前の丘に陣を敷いているのを見て、さっそく戦うために出てきました。ヨシュアに率いられた本隊は、敵をおびき出すために、打たれたかのようにしてヨルダン渓谷への道を下って行きました。アイの王は、これを勝機と見て、全軍を率いてアイの町を出ます。ベテルの王もそれにならいました。(5)ヨシュアは振り向き、手にしていた投げ槍を町のほうに差し伸ばしました。それを合図に、伏兵が町に攻め込み、町に火を放ちました。また、ヨシュアの本隊も振り向いて敵に向かいました。

戦争の結果

(1)その日、アイの町の住民は男も女も合わせて1万2,000人が打ち倒されました。主が聖絶せよとお命じになったとおりです。(2)ただし、アイの王は生け捕りにし、夕方まで木にかけてさらし、その後死体を木から降ろして町の門の入り口に投げ捨てました。その上には石が積み上げられ、石くれの山が作られました。アイは邪悪な町でしたが、特にこの王に問題があったようです。(3)イスラエルの民は、家畜と分捕り物を戦利品として取りました。(4)かくしてイスラエルの民は、カナンの地の中央高原(エフライムの山地と呼ばれる地域)を支配するようになりました。その結果、それ以降の戦いが非常に容易になりました。(5)この戦いで、ベテルも征服されました。
前回のくり返しになりますが、エリコの戦いは超自然的方法による勝利でした。しかし、いつもこの方法が用いられるわけではありません。アイの戦いでは、人間的戦略が採用されています。主は私たち人間を用いてご自身の御業を行なわれます。神からの知恵によって霊の戦いに勝利することを学びましょう。

きょうの祈り

イスラエルの神よ。どうか私をあなたの使者として用いてください。裁きの使者としてではなく、愛と恵みを届ける使者として用いてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

イザヤ書8~9、ローマ人への手紙4

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