24節

24節が欠落している写本がありますので、新改訳はそれを省いています。異本には、24節として以下の文が挿入されているものがあります。「わたしたちの主イエス・キリストの恵みが、あなたがた一同と共にあるように」（新共同訳の訳）

25〜27節

「私の福音とイエス・キリストの宣教によって、すなわち、世々にわたって長い間隠されていたが、今や現されて、永遠の神の命令に従い、預言者たちの書によって、信仰の従順に導くためにあらゆる国の人々に知らされた奥義の啓示によって、あなたがたを堅く立たせることができる方、知恵に富む唯一の神に、イエス・キリストによって、御栄えがとこしえまでありますように。アーメン」。この頌栄しょうえいは、非常に長いひとつの文です。この文の中には、ロマ書の主要テーマが盛り込まれていますので、それを確認してみましょう。
（1）神について、パウロは以下の2点を上げています。① 神は、「知恵に富む唯一の神」と表現されています。② また神は、「あなたがたを堅く立たせることができる方」として紹介されています。
（2）神が人類を救済する方法について、パウロは以下の6点を列挙しています。①「私の福音によって」。福音はキリストによって啓示されたものですが、パウロが伝えた福音には、彼独特の内容が含まれています。これに関しては、次回詳細に学びます。②「イエス・キリストの宣教によって」。福音は、イエスの死、埋葬まいそう、復活に関するものです。イエスを離れては、どこにも良き知らせはありません。③「世々にわたって長い間隠されていた」。福音に関する真理は、新約時代になるまで隠されていました。それゆえ福音は、「奥義」と呼ばれるのです。④「永遠の神の命令に従い、預言者たちの書によって」。旧約聖書の預言者たちの書の深い意味は、キリストによって明らかにされました。⑤「あらゆる国の人々に知らされた奥義の啓示」。福音は、ユダヤ人だけでなく、すべての国の人々に知らされました。⑥「信仰の従順に導くために」。すべての国の人々を信仰の従順に導くことが、永遠の神の命令であり、計画です。
この頌栄は、神学のない礼拝はなく、礼拝のない神学もないことを、私たちに教えています。私たちが信じるお方は、いかなる状況からでも私たちを救い出し、私たちを堅く立たせることのできるお方です。そのことを思い起こし、神をほめたたえましょう。