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ローマ人への手紙13:11 〜 14

11 あなたがたは、今がどのような時か知っているのですから、このように行いなさい。あなたがたが眠りからさめるべき時刻がもう来ています。というのは、私たちが信じたころよりも、今は救いが私たちにもっと近づいているからです。

12 夜はふけて、昼が近づきました。ですから、私たちは、やみのわざを打ち捨てて、光の武具を着けようではありませんか。

13 遊興ゆうきょう酩酊めいてい淫乱いんらん好色こうしょく、争い、ねたみの生活ではなく、昼間らしい、正しい生き方をしようではありませんか。

14 主イエス・キリストを着なさい。肉の欲のために心を用いてはいけません。

決断の時(1)

今という時代の認識

愛の律法(8〜10節)について説いたパウロは、今こそ決断の時であると迫ります。「あなたがたは、今がどのような時か知っているのですから、このように行いなさい。あなたがたが眠りからさめるべき時刻がもう来ています。というのは、私たちが信じたころよりも、今は救いが私たちにもっと近づいているからです」11節)。パウロは、「今がどのような時か知っているのですから」と言います。ギリシア語には「時」を示す言葉が2つあります。クロノスとカイロスがそれです。(1)クロノスとは、直線的な時間の流れを指す言葉です。普通私たちが意識しているのは、クロノスとしての時間です。(2)それに対して、カイロスとは、終末的時、質的に重要な時、決断の時、などを指す言葉です。ここでパウロが使用しているのは、カイロスです。今は、終末の時です。

眠りからさめるべき時刻

さらに彼は、「私たちが信じたころよりも、今は救いが私たちにもっと近づいている」と言います。ここでの「救い」とはどういう意味なのか、考えてみましょう。(1)1 〜 8章で学んだように、救いには3要素があります。義認ぎにん(過去形の救い)、聖化せいか(現在進行形の救い)、栄化えいか(未来形の救い)です。ここでパウロが言及げんきゅうしている「救い」とは、栄化のことです。(2)この「救い」については、ローマ8:23で次のように解説されていました。「そればかりでなく、御霊の初穂をいただいている私たち自身も、心の中でうめきながら、子にしていただくこと、すなわち、私たちのからだの贖われることを待ち望んでいます」。この聖句では、栄化としての救いは、「からだが贖われること」であると教えられています。(3)私たちは、救いの完成(栄化)の時に近づいています。その時私たちは、復活のからだを受けます。それが起こるのは、携挙けいきょの時か、キリストの地上再臨さいりんの時です。(4)パウロは、クリスチャン生活の一日一日が、そこに近づく過程であると教えています。それゆえ、今は「眠りからさめるべき時刻」なのです。「眠り」とは怠惰たいだなクリスチャン生活のことです。今という時の緊急性のゆえに、霊的安逸あんいつから目覚めるようにと、パウロは勧告しています。
正しい終末論は、聖い生活を送るための動機となります。聖書的には、今が終末の時であることを覚えましょう。「私たちが信じたころよりも、今は救いが私たちにもっと近づいている」のです。

きょうの祈り

イエス・キリストの父なる神さま。今がどういう時であるか、正しく認識することができますように。完成の時が近づいています。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

ヨシュア記3~4、ルカの福音書2