18 今の時のいろいろの苦しみは、将来私たちに啓示されようとしている栄光に比べれば、取るに足りないものと私は考えます。
きょうの箇所から、「栄化」のテーマが始まります。ここで救いの3つの側面について再確認しておきましょう。救いには、① 義認(過去形)、② 聖化(現在進行形)、③ 栄化(未来形)という側面があります。これらの側面はすべて、恵みにより、信仰によって実現するものです。
さてパウロは、ローマ8:18 〜27 で3つの「うめき」について記しています。これらの「うめき」は、私たちが「栄化」に向かう過程で起こるものです。具体的には、① 被造物のうめき(8:17 〜22)、② 神の子たちのうめき(8:23 〜25)、③ 御霊のうめき(8:26 〜27)の3つです。これらのうめきについて、これから数回に分けて順次解説したいと思います。
2011年4月22日、ローマ法王ベネディクト16世が、イタリア国営テレビのカトリック教徒向け番組に出演し、東日本大震災を体験した7歳の日本人少女(イタリア人の父、日本人の母を持つ千葉市の少女。自宅近くが液状化の被害を受けた)の質問に答えました。少女は、「私は今、とても怖いです。大丈夫だと思っていた私の家がとても揺れたり、私と同じ年ぐらいの子供がたくさん死んだり、公園に遊びに行けないからです。なんでこんなに悲しいことにならないといけないのですか」と質問しました。それに対して法王は、こう答えました。「私も同じように『なぜ』と自問しています。答えは見つかりませんが、神はあなたとともにあります。この痛みは無意味ではありません。私たちは苦しんでいる日本の子どもたちとともにあります。ともに祈りましょう」。この答えは、誠実で優しさに満ちたものです。しかし、残念ながら世界観の説明がありません。子どもにも分かるように世界観を説明するのは困難なことでしょうが、その努力はあってしかるべきだと思います。キリスト教は、何よりも世界観であり歴史観です。私たちは、世界が(そして人類が)どこから来て、どこに行こうとしているかを問わねばなりません。このことを理解するために、ロマ書8章は最適な箇所です。
ロマ書8章は、世界は崩壊しつつあるが、それは新しい世界をもたらすための「産みの苦しみ」だと教えています。そこに私たちの希望があります。神を信じる者には、絶望はありません。目に見えるものがすべて消え去ったときに、新しい世界が出現するからです。人生における「うめき」は、「栄化」に向かう旅の通過点に過ぎません。
きょうの祈り
天地創造の神よ。この世は滅びます。しかし、あなたのことばとあなたの愛は、永遠に滅びることがありません。きょうもあなたに信頼を置きます。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
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